読者の方々から届いたインストラクターへの質問のなかから、特に多かったものをご紹介。あなたの「?」を「!」に変えます。

Question
ハンドスタンドやブリッジのドロップバックの時など逆転のポーズをするときは、身体よりも心が固まってしまって先に進めないのです……。“怖い”を克服する方法ってありますか?

Answer
力が必要とされるポーズ、頭が下になるポーズは、耐えられるかどうかの瀬戸際で恐怖心が出てしまいますよね。そんなときはどうしたらいいのか、3人のインストラクターに訊いてみました。

好奇心の持てるものを継続的に取り組もう

ヨガ マサ先生

ヨガに限らず、怖いと思うことに取り組むことは難しいことです。それでも人には適応能力があり、向上心があるので、壁を見つけると登りたくなりますよね!?

僕はボルダリングをするので、例えですが、難易度が高すぎる課題はどう頑張ってもできませんが、できることを繰り返すと慣れてきて、また新しい課題にチャレンジしたくなります。

ヨガでもやりたくないものや難易度の高すぎるものに挑戦するのは恐怖心を作ってしまうと思います。簡単すぎると飽きてしまう。だから能力に対してぎりぎりのところがチャレンジだと思います。

チャレンジのポイントは「好奇心」です。好奇心のあることを繰り返すことが楽しみにつながるので、恐怖を克服するときは、怖いものではなく、好奇心の持てるものに継続的に取り組むことが大切だと思います。するとそのうち好奇心が恐怖を上回るでしょう! 

『できないは、できるの途中』を楽しもう

ヨガ&ピラティス ヨリコ先生

焦らず、じっくり練習を積み重ねていくことが大切だと思います! その経験が、身体の準備、心の準備に繋がり、自信となり、「GO!!」いう瞬間となるのしょう。

ハンドスタンドもブリッジへのドロップバック(立った姿勢からブリッジを行うこと)も筋力やバランス力が必要。なのでそこを養えるポーズをしっかりするといいですね。

ハンドスタンドなら肩周りや腕の使い方を深めるプランクポーズやアドムカシュワーナアーサナ、バランスをしっかりイメージできるタダアーサナなどがいいでしょう。

ブリッジへのドロップバックならば、腿前から腹部、体側の伸びしなやかさを培うコブラのポーズやウシュトラアーサナの練習もよいですね。股関節の柔軟性や脚の使い方を強化してくれるポーズも大事です。

こういったポーズを含めて練習していくと「あ、できるかも!」という瞬間に出会えると思います。

ただ、チャレンジングなアーサナをするときは、必ずインストラクターなどの指導の元、安全に行ってください。

『できないは、できるの途中』〜チャレンジを楽しんでください!

体を育ててから、心にアプローチ

ヨガ リツコ先生

ハンドスタンドやドロップバックは、支えのない空間に向かって進んでいくアーサナですから、“怖い”と感じるのは自然なことだと思います。“怖さ”は“心の弱さ”でなく“慎重さ”だと捉えて。心と体は影響しあっているので、“心”が一歩踏み出せるまで、まずは“体”にアプローチ。クラスに参加した時に、安定した体幹や強い基盤を作る基本的なアーサナの練習を注意深く行ってください。

体が育ってきたら“心”にもう一度アプローチ。怖さを感じる自分も受け入れて、呼吸を感じながらその日できるところまでやってみましょう。途中で戻ってきても大丈夫です。戻ってこられる勇気を認めてあげてください。

クラスでは、インストラクターの言葉をしっかり聞いてくださいね。安全に行うために必要なことをお伝えしていますから、集中して聞き逃さないように。

“できるところまで注意深く行う”ことと、そして“ヨガを楽しむ”ことも忘れずに。笑顔でトライしてみてください。


【おすすめワークショップなど】
>>慣れてきたら見直したい20ポーズ『ポーズのコツ』
>>アドバンスのポーズに取り組む『アーサナ・インテンシヴコース』

編集 竹内まり子