読者の方々から届いたインストラクターへの質問のなかから、特に多かったものをご紹介。あなたの「?」を「!」に変えます。

Question
インドでヨガするメリットってなんでしょう? ヨガの発祥の地がインドなので、興味はあるのですが、なかなか行く勇気がわかず……。インストラクターの方々はインドに行ってみて、どうでしたか?

Answer
海外旅行に気軽に行けるようになった昨今、海外でなにかを勉強し、知識を深める環境や機会が増えています。ヨガを学ぶために海外へ行く人も増えています。なかでも発祥の地インドに行ったことのあるヨガインストラクター3人に、インドでヨガすることについて聞いてみました。

マットの上では、日本もインドも同じ。自分自身に向き合うのみ

ヨガ トモミ先生

私がインドに行こうと思ったキッカケは、世界中の人々を魅了するヨガの発祥の地を、一度は見てみたい、と思ったことです。実際、渡印して3度目ですが、日本とインドでするアーサナの練習は、どちらも変わらないと思います。マットの上に立ったら、自分自身と向き合うのみです。

ただ、それ以外のヨガにおいては、インドのほうがより体験しやすいものがあると感じました。たとえば、伝統的なプラーナーヤーマ(調気法)、インド哲学、ヴェーダチャンティング(インド聖典の詠唱)、バクティヨガなどです。日本とは違う気づきがあって、おもしろいです。

インドでは、飛行機や列車が遅れるのは日常茶飯事ですし、トイレにトイレットペーパーが無いのも基本です。もちろん水道水は飲めませんし、街や空気もキレイとは言い難い国です。

それでもインドにまた来ようと思うのは、日本や他の国では味わえない刺激があるからな気がします。

日本で当たり前に行っている事が当たり前に出来なくなった時、1つ1つの行為にしっかり集中するようになり、今この瞬間生きてるなぁ、と実感させられます。そんな瞑想的な日々を過ごせるのもインドの魅力だと思っています。

躍動するエネルギーの源流が、そこここらに感じられる地

初めてインドに行ったのは5年前、ヨガ哲学や聖典の理解、そして瞑想をもっと深めたいと強く願った時期でした。自分がこんなにも惹かれるヨガの源流を肌で感じたいという思いもあったと思います。それ以来いつもインドでは、広い意味でのヨガ(アーサナだけではない)に浸り、新しい知識も得たいと思って行くんですが、結局は自分の内側を見る旅になっているなと感じます。いつもと違う環境に身を置くと、自分がどうするか、どうなのか、自問する時間が多くなりますよね。旅は自分を見つめるいい機会だと思います。

私が特にインドに惹かれるのは、インドという地に自分自身の源流を感じるからで
す。

日本で根づいている文化や習慣、物の考え方の多くは、インドにその源を見ることができます。たとえば、敬虔なヒンドゥー教の寺院で、僧侶たちが神様をおみこしに乗せて歩く儀式を見たことがありますが、それは日本の神社のお祭りによく似ていました。“あ、日本のおみこしは、元はこういうことだったんだ……”と、その深い意味をインドで発見する、といったことが起きたりして、少し懐かしいような気分になるんです。ここが、私たち日本人のルーツなのか、なんて。

とはいえ、はじめて行ったインドは衝撃的でしたね。空港に降り立ったとたん、タクシーの客引きの人たちに囲まれて「乗れ」「乗れ」と(笑)。ホテルでも、お湯が出ない、トイレの水が流れない、は当然。いろんなことがスムーズにいかず、時間通りにもいかないです。そして、例にもれず、お腹も壊しました。もういろいろ試されたなと。

でもインドの、混沌としたものの奥に潜む熱い何か、まるで地中のマグマのような、躍動するエネルギーの源を身体で感じるとき、だからこそたくさんの聖者が生まれ、ヨガも生まれたんだろうな、と思うんです。そこに近づきたいって思って、またインドに行きたいと思うんです。

聖と俗、すべてが存在する混沌の中でこそ、聖者の言葉がリアルに

ヨガ キミ先生

私が初めてインドに行ったのは、前職の会社でテキスタイルデザイナーを辞めて退社した直後でした。そのときすでに瞑想をはじめていたので、瞑想の師匠を探しにいこう!と、最初は2週間のつもりが、結局は2ヶ月滞在しました。アーサナだけでなく、哲学や瞑想、呼吸法を含めてトータルでヨガを教えて下さる先生に出会えて、毎日ずっと瞑想とヨガ漬けで学びましたね。

初めてのインドは、瞑想とヨガを学ぶ部分では楽しかったのですが、貧富の差や文化の違いなど、考えさせられることも多く、心の整理をつけるまでに6年かかりました。その間は、NYに毎年行っていました。はじめてNYに行った2001年9月にテロがあり、大変衝撃を受けました。その時に受けたヨガクラスでバガヴァッドギータ―などの聖典の節や詩を読む先生が多く、ヨガクラスに来る方の心の支えになっているのが印象的で、ヨガのインストラクターという職業を意識することとなりました。

気づけばヨガへの熱意が高まり、インストラクターの仕事に携わるようになりました。ヨガを伝えていく中で、2006年に、インドの聖者たちの伝統の中で、初心に戻って瞑想をもっと深めたい、という思いからインドに再び通うようになりました。インドならではの学びと体験がある、と6年離れてみて実感しました。その後はまたたびたび通うようになり、私の渡印は今年で24回目になります。インドの聖者たちの文化の中で瞑想や経典を深めていただけたら、という思いで始めたヨギー・インスティテュート主催のインドでのコースも今年で4回目となります。

日本にいるときは、瞑想をしているときの自分と日常生活のときの自分がバラバラになりがちです。でも、インドにいるときは、日常生活時でも常にその感覚がしっかりとある。そのヴィジョンを取り戻すため、そしてインドの神さまや聖者たちの文化が好きで、今も私はインドに行っているんだな、と思っています。

カルマヨガ、バクティヨガなど聖典で説かれた内容も、日本で読むと、理解しにくい部分があるかもしれませんが、インドでは常にリアルに、切実に、肌で感じられるんです。日常において、いやがおうでも考えさせられる環境と文化、善/悪、聖/俗など清濁併せ呑み、混沌としたなかだからこそ、聖者の言葉やインド人の皆さんが神さまを愛する熱意も理解できます。

瞑想やヨガの哲学を深めたい人にはインドをはお勧めします。瞑想が深まる良い聖地やアシュラムがたくさんありますし、聖者たちの教えがすっと入ってきやすく、経典も理解しやすいと思います。あとは、今の環境文化、や自身の考え方にがんじがらめになっていると感じている人には、そのタガを外すのに、いい弾みになると思います。

南インド最大のシヴァ神の聖地で、瞑想を通してヨガを深める
>>『ヨガスタディコース・インド』

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編集 竹内まり子