ヨガをしているわけじゃないのに、この人の発言や行動は、とてもヨガ的だ、と感じることはありませんか? そんな「ヨガを感じる人」をシリーズでご紹介していきます。ヨガインストラクターのミヤビさんが語ってくれました。

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2012年10月、山中伸弥京都大学教授が「iPS細胞の発明」でノーベル賞を受賞しました。その頃たまたまつけていたTVで山中先生の記者会見が流れ、その言葉の一つ一つがまるでヨーガ実践の教えのようで、夢中でメモを取りました。これはその備忘録です。

「科学者に大切なのは vision & work
長いスパンで目標を立てた上で
一つ一つを全力で実行する」

「『自然は独創的』
仮説を裏切る結果が出た時に ほとんどの人はがっかりして目を伏せてしまうが、その予想だにしない独創的な結果をしっかりとつかんで そこから教えを受け取る事が真実への一歩となる」

「うすいヴェールを一つ一つ剥ぐように真実へと近づいていく
その道は延々と続くバトンを受け渡してつなぐリレー」

「人は尊大になってしまっているように思う
すべてを知ったような気になってしまうが
見えているのは氷山のほんの一角
その一角にちょろっと下から顔をのぞかせた真実をありのままに見ることが大事」

「全部知っていると思っているから結果に裏切られた気になって目を伏せて諦めてしまうが、自然が見せてくれるものを受け入れ続けるのが科学者の仕事」

「生命や身体は偉大
自分の身体でありながら自分で何もわかっていない
謙虚にいなければならない
自分の生命、身体、自然 が先生なんだ」

「研究自体が先生であり
研究結果もまた先生である」

「頭より手を動かせ
考えてばかりいては人生終わってしまうぞ」
(研究生に言う言葉)

結果に執着せず探求を続ける事、アビヤーサとヴァイラーギャ(修習と離欲)、それを思い出させる言葉の数々。またそれは、行動し続けそこから学ぶカルマヨガにも通じます。

自然や偶発的に起こる事、目に見えない力に神を見、敬意を持つバクティヨガでもあり、真理の探求を怠らず学び続けるギャーナヨガそのものとも言えます。

科学者はヨーギであり、真のヨーギは科学者であるべきなのでしょう。

文 ヨガインストラクター ミヤビ/編集 七戸 綾子