石巻OCICAの里を訪ねて vol.1
SPOTLIGHT IN JAPAN
石ノ森さんの世界観が広がっているのでてっきり出身地だと思い込んでいたところ、石ノ森さんは、登米市のご出身と聞きました。
地震で水位が変わり、港に停泊できなくなった漁船が入江に点在し、真っ白な砂のような牡蠣殻が積まれている。
意外と糸を巻くのがかんたんそうに見えてなかなかうまくいかない。私の場合、真ん中にきれいな円ができず、3回ぐらいすべてをほぐしてやり直し。しまいにはお母さんがイチからやってくれた(笑)。
一番細かい模様を作ったのは、スタジオ・ヨギー京都店長の千矢さん。(奥・ブラウン) 意外にも大胆な柄になったのは、ヨガインストラクターのリーさん。(手前左・グリーン) その真ん中ぐらいでしょうか、私が巻いたもの。(手前右・赤)
「いろいろあるけれど、ここに来るときは“笑おう!”と決めてるんだ」と、あるお母さんは言ったそう。
この日、電動糸のこぎりを使うときに傍で教えてくれたひろこさんが話してくれた。「庭の菜園に大きな青虫がいたの。気持ち悪い、と思ったけど、きれいな蝶になるのかな、見てみたいな、とキャベツの葉をちぎって別の場所に移動させたの。そしたら、亡くなってしまった。だからどんな蝶になったか見れなかった。好きな葉っぱを自分で選んで食べていたら、いまも元気だったかもしれないね。自然がよかったんだね」お茶っこでさりげなく話すお母さんの話がとても胸に響いた。
お茶っこのあと、午後のヨガに備えて、近くを散策。港のすぐそばの小高い丘にある神社は、津波を逃れ、高い木にひっそりと囲まれている。
ふと停めてあったトラックに復興支援をきっかけにはじまったカーシェアリングのマークがあった。かわいらしいアイコンは、スートンとローリー。
写真&文 七戸 綾子