ついつい目にみえるわかりやすいものを優先しがちですが、そもそも、どんな思いがあってその行動をするのか。まずは想いが先にあるはず、とキミ先生はお話ししています。

”思い”と”想い”、一般に使われるのは”思い”。実は、対象がある場合には、”想い”を使うようです。

たとえば、思い描くことが実現する、とよく聞きますが、願望の強さとは、回数願えば実現するものではなく、その思いの深さ、信念のほうが、力があるように思います。もし自分の願いがすぐにでも叶うとしたら、何を望むのでしょうか?

心の底から叶えたい願いがあるのでしょうか?

心の底から湧き上がる素直な願いは、自然界とつながる本質から湧き上がってきます。それは、周りの環境が求めることとは少し違っているかもしれませんし、ちょっと変わった想いかもしれませんが、自分自身の天命ともつながっているケースもあります。

瞑想すると本質がクリアになります。

私は、内側を幸せにしたいと思って、瞑想をはじめました。それには、ストレスマネージメントの部分も含めて自分自身を知ることから始まりました。当時の私は、仕事や恋人等、普通の物差しで測れば幸せだと思える条件の環境にいたにも関わらず、幸せだと感じることができませんでした。これは、内側に原因があると思い、“内側を変えなければ”という思いで、瞑想を始めたんです。

幸せの形は人それぞれ違います。今思えば、当時の私は、世間で一般的に言われる幸せの形を追い求めていたように思います。瞑想を重ねていく中で、様々な感情や記憶と向き合い、自分の本心を垣間見たような気がします。深い所で本当に願っていることに気付くことができました。

――よく、神社仏閣で「世界が平和でありますように」と願う方もいますよね? 絵馬などでみかけると、すごいなーと思うんですよね。

それはもちろん素晴らしいことなのですが、神仏や八百万神(やおよろずのかみ)に本気に思うなら、自分がまず何を求めているかをきちんと知らないと、周りを幸せにできないのでは、と思います。

他者の幸せに貢献しようと思ったら、他者を理解することから始まります。でも、自分自身の本心を理解していない段階で、他者の事を真に理解して幸せにするのは難しい一面もあります。

自分が心底求めるものを知って、それが叶うと自分が幸せになります。他者も同じで他者が願うことが叶ってこそ、幸せになる。他者の幸せに貢献しようと思ったら、他者を理解することから始まります。でも、自分自身の本音を理解せずに他者を本当に理解する事は難しいのかなと思います。

運命と自由意志、どちらが人生を決めている?につづく

お話 ヨガインストラクター キミ/文・編集 七戸 綾子