NYの象徴のひとつと言えば、イエローキャブ(黄色い車体の
タクシー)ですね。ドライバー(多くは北米以外の出身)には
制服も、帽子も白手袋も無く、皆さん普段着のままなので、
親しみやすいというか緊張感がないというか・・・もちろん
ドアは手動ですし、シートにはレースなどかかっていません。
清潔感はないものの、嬉しいことにすべてが禁煙車です。
携帯電話が普及してからというもの、ドライバーは
客との事務的なやり取りの後は、イヤフォンを取り付けた
携帯電話で延々と通話していることもよくあります。
以前空港まで乗った時、ドライバーがイヤフォンの向こうの
彼女から切り出された別れ話に、必死にすがっているという
シーンが一時間近くも展開されたこともありました。
ずいぶん昔は、週末にドライバーの奥さんや彼女が
助手席を占領したまま仕事しているドライバーも
見受けられました。(NYでは4人目のみが助手席に座れます。)
そんな自由な雰囲気のドライバー達ですが、頼まなくても
全速力で走ってくれますし、雪道でもかなり強気です。
ただドライバーのシフト交替でキャブがつかまりにくい
時間帯(午後4時前後~6時頃)がありますので、
NYにいらっしゃる方は注意してくださいね。
シフトが終わった直後でも、自分の車庫に向かう方向と
客側が行きたい方向が同じなら乗れることもあります。
雨が降っていても、ドライバーは必ず運転席から降りてきて
荷物の出し入れをしてくれます。マニュアルがない代わりに
機転を利かせてくれるのは有難いです。もちろんサービスの
良し悪しはチップに直接反映されるという厳しい現実も。
日本ではチップ制ではないにしろ、もう少し機転の利いた
サービスを求めたくなることもあります。スーツケースなど
大きな荷物を持っていても、トランクを自動で開けるだけで
手伝っていただけないことも僕の経験では多いです。
近年のキャブ業界での変化は、ほとんどの車でクレジット決済
ができることや、後ろの乗客用にテレビモニターが付いていて、
テレビ局のCMや天気予報、走っている場所の地図などが
確認できることです。
相変わらず原始的な香りのするキャブですが、少しずつ進歩
しているようです。それでも久しぶりに日本に帰ると、
タクシーのドアが自動で開閉することにびっくりしてしまいます。
うっかり自分でドアを開けてタクシーに乗り、一緒にいた人が
やけに恥ずかしがっていたこともありました。
NYには実に様々なドライバーがいます。呆れることはあっても、
不思議と嫌な思いをしたことはありません。洗練されては
いないけれど、キャブドライバーには人間臭さ、生命力という
魅力があるからかもしれません。



