お悩み:
伝えるときに、すべて言い終わる前に、間に口を挟まれて伝えきれない。相手の話が一通り終わり、ひと呼吸して、もう一度伝えたい、伝えなければならないことを話し始めると、ひと言目を発するときに、同じようにそのまま怒りをぶつけるように話されてしまい話にならない。 こうしたことを自分自身でも体験し、他の人がその相手と、同じ状態になっていることも何度も見ることがあり、心的障害に似た状態になってしまいました。 その後、何年経っても、その相手と業務などで関わるとき、とてもストレスを感じ胃が痛くなる。 トラウマになってしまっている状態をどのように解決すればいいのでしょうか?

答えのヒント:
このお悩みを見てハッとしました。実は僕自身が人の話が終わる前に口を挟んでしまう人に属するのです。これは双方に考えるべき点があると思います。「相手の行動」は直接的にはコントロールできませんが、それぞれの立場でできることを考えてみましょう。

人の話を遮ってしまう人
まずは「せっかち」であるかもしれません。または白黒はっきりさせたい。会話の中で早く結論に辿りつきたい。自分が正しいと思いがちである。話し相手の能力を買っていない。左脳で情報を処理しがちである。相手に興味がない。

僕自身が相手の話を遮ってしまう癖が出るときは、この中の幾つかが当てはまります。先日、自分の会話のテンポよりゆっくりとしたテンポの方と話す機会がありました。そして相手は自分のプライヴェートな心持ちをシェアしようとしている。一方僕は別のことに集中したいというタイミングでした。

「この人の言わんとすることを聞かなくては・・・」と思いながらも、自分の事だけを話したい相手に少々苛立ちました。話しているうちに、相手にとってはそれについて話すことすら勇気の要る重要な内容だと分かりました。相手の言わんとすることが見えるまで待つのは、僕にとってエネルギーの要ることでした。せめて相手に対し、自分が誠実であったことを祈ります。

僕のような遮り派は、人を尊重することを常に思い出す必要があるでしょう。相手の為に時間を割く、相手の話が終わるまで待つことが相手への敬意であることを心に刻むことです。

自分の考えが正しいと思い込んでしまうのは、大きな驕りです。自分がいつも正しいと思わせてくれる環境の中にいるかぎり成長はありません。自分が話すことで結論を見せれば早いと思っても、相手は情報(意見)を伝えていると同時に、心の中の何かを外へ出そうとしているのです。それができる時間やチャンスを与えなければなりません。コミュニケーションとは情報の交換だけではないのです。

私達には(世の中には)十分な時間がある筈です。そして相手を軽々しく扱ってはならないのです。

僕にとって(時にインストラクターとしてだけでなく)の挑戦は、相手の話すこと、時には表現されていない言葉を聞き取ることです。色々な意味で自分とは異なる人にも存在価値を見出し続けることです。

自分の話が遮られると感じる人
あなたの普段の行動や言動はいかがでしょうか?まわりからリスペクトされていると感じますか?リスペクトとは周りの反応ですが、あなたが過度に遠慮がちな行動や言動を繰り返していては周りの人がリスペクトすることを止めてしまいがちになります。

AとB(グループもあり)の人間的な関係性はAとBで作られていることもあるのです。Aの在り方をBが手伝っている場合があるかもしれません。出来てしまった関係性を変えるのは難しいでしょう。

ぞんざいな態度を改めるのは、明らかにその人自身が自分に課すべき取り組みです。本人が自覚していない場合が多いでしょう。逆の立場にいる人は、自分がリスペクトされるべき人間であることを相手に知らせることは可能です。萎縮してはいけません。一目置かれる存在になるには、何か一つ秀でたものを持つことが大きなきっかけになるでしょう。

世の中には、この人が話せば皆が注意を向けて聞く(一目置く)・・・というタイプの人がいます。そういう人を観察してみると、話す内容がまとまっている。話に一貫性がある。表現の言葉を選んでから話している。話す内容にその人なりの経験や自信が伺える。堂々としている。冷静である。

職場で出来上がってしまったかに見える関係性なら、相手が認めざるを得ない特技(クリエイティヴな発想、先見性、リサーチ力、仕事処理の敏捷性、人脈、経験、人望など)を以ってリスペクトを得るしかないでしょう。

相手が自分の癖を改めない場合は、「〇〇さん、最後まで聞いてくださいね。」と念を押して簡潔にまとめた自分の意見を述べなければならないかもしれませんね。

全ての人には絶対的な存在価値があります。これを測るメジャーはありません。
しかしそれぞれの人には相対的な存在価値の測り方があるのも事実です。職場では、年齢、経験年数、能力などがメジャーとなるかもしれません。時には相手の測り方を意識しながら自分を示す必要もあるのでしょう。

最終的にはメジャー無しで、相互を敬う環境になればと願います。

***

「Art of Living 豊かに生きるスキル」では、みなさまよりヤスシ先生に聞いてみたいことやお悩みの相談を募集しています。こちらのフォームよりお気軽にお寄せください。感想もよろしければお聞かせください。
お悩み相談・感想 送信フォーム

・・・・・・・

ヤスシ先生とヨガを探求しよう!
【yoggy institute lab】ヤスシのハタヨガ研究室

文 ヨガインストラクター ヤスシ/編集 七戸 綾子