お悩み:
人が信じられません。 褒められても「お世辞だな」とか、漠然的に未来の約束をされても「どうせ忘れるでしょ」と思ってしまいます。 どうしたら人を信じられるようになりますか?

答えのヒント:
これらは信じる・信じないだけでなく、他者に対する期待も関係しているかもしれませんね。

誰しも褒められると嬉しいもの。褒められたら素直に喜び、その瞬間を楽しめばよいのです。

しかしどのような感動(褒める側の興奮も褒められたことへの喜び)も、残念ながら時間と共に少しずつ色褪せるものです。お世辞かもしれない言葉も有り難い約束も、「親切な言葉をありがとう」位に留めておくのが良いのでしょう。

褒められた事実や実感があったとしても、それを自分の中で長引かせないことが必要なのかもしれません。

例えば嫌な出来事を後から何度も思い出し(経験の反芻)て、ネガティヴな気分になることはよくあります。同様に良い出来事も後から何度も思い出しポジティヴな気分になるでしょう。しかし良い思い出が、やがて同じ経験への期待(執着)に変わるかもしれません。

また未来の約束は、それが本当に起こるかどうかは「その時」が来なければ分かりません。

私達自身も、会話や状況の円滑さの為に表面的な表現を使い過ぎていないか意識しましょう。

僕は「期待する子供」でした。その結果、残念な思いもしました。今でも期待する癖は出ます。そして残念な思いも繰り返し経験します。何度かこれを繰り返す中で、人が自分に何かをしてくれる、もしくは経験を良くしてくれるという期待はほどほどに…というのを身につけたようです。

もちろん私達は「期待」や「喜び」なしには生きていけないでしょう。対象(物)を想定して使う言葉や概念ですが、これらの言葉を内的に意識することが大切です。自らが自身の期待や喜びの責任者になるのです。自分の心の経験は人任せにはできません。

漠然とした約束とは「その時の思い入れ」や「意気投合した気分」なのでしょう。時間が経てば残念ながら「思い入れ」も褪せたり、変化するかもしれません。約束は・・・相互が「思い入れ」を持続させられれば、現実に起こるのでしょう。誰も悪気はないでしょう。しかし私達が期待しすぎると相手を悪者にしてしまいます。

相手の言葉は思いやりとして受け取りましょう。

そして自分の周りで、お世辞の匂いが無く、約束が実現するか否かは別として、心からの言葉を発する人が誰であるかを覚えておきましょう。

何より、私達自身が心からの言葉を発する人でありましょう。

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文 ヨガインストラクター ヤスシ/編集 七戸 綾子