ちょっと欲ばって、ヨガとピラティスとビューティ・ペルヴィス、3人の先生に質問! 3つの答えは、同じようで違うし、違うようで同じ。あなたの「?」を「!」に変えます。

Question
私は少し食べてもすぐ太ってしまいます。あまり太ったことがないというやせ型の友達がうらやましいです。そういう体質もヨギーに通うことで変わりますか?

BEAUTY PELVISプログラムディレクター/b-i STYLE代表 kyo先生

kyo先生の体質
体質など考えずに昔は「○○であるべき」と自分に強く課していましたが、指導者として多くの方と出会い、人の素地に注目するようになりました。今は自分の個性を尊重し、自分の居心地のよいところに身を置いています。

可能性は自分次第
確かに太りやすい人、やせやすい人という体質はあります。ビューティ・ペルヴィスでは野口整体の「体癖(たいへき)論」を基礎理論のひとつとしています。これは骨盤から背骨、足裏の重心によって人間のタイプを12種の特徴的な型に分類したもので、その組み合わせや濃淡によって体型や気質、起こりやすい不調などの傾向がわかります。基本的な体癖は変わりませんが、濃淡を変えられるという可能性はあります。

また、運動生理学の「活動代謝」という視点で考えると、なんでもまとめて後回しにするタイプと今すぐに行動しないと気が済まないタイプでは活動代謝(カロリー代謝)が違います。行動パターンがカロリー消費の違いにもつながっているのです。

さらに、成長期や成熟期など女性ホルモンの影響も見逃せません。まず自分の癖や傾向(体質)を見極めること。ヨギーはそのきっかけで、そこから先は自分がどうするかなのです。体質とうまくつきあいながら、可能性は自分次第で見出せます。

PILATESプログラムディレクター マミ先生

マミ先生の体質
体質なのかどうか、私は運動しても筋肉がつきにくく、ほどよくつけたいと思っていました。ピラティスを始めてインナーマッスルで土台が整った結果、外側の筋肉も安定し、体型や体質にあまりこだわらなくなりました。

体を動かせば「ニュートラル」に
ピラティスは関節の動きをよくしたり、体幹バランスを整える効果などがありますが、続けている方からは「太りにくくなった」という声もよく聞きます。インナーマッスルがついて基礎代謝が上がり、食べても消費できる体になるという意味では太りにくくなるといえるかもしれません。

また、姿勢がよくなることで内臓が活性化され、日常生活でも常にお腹まわりの筋肉を上手に使えるようになるので冷え性や便秘が改善される方もいらっしゃいます。ピラティスの効果がどのぐらいの期間でどのように表れるかは人によって違います。そこにいわゆる「体質」の違いがあるのかもしれません。

でも、「体質=今の体の状態」ととらえれば、体を動かすことで「体質」は変わる!と私は思います。太りすぎている人はやせ、やせすぎている人は適度に筋肉がつくというように、それぞれバランスのとれた「ニュートラル」な体、つまり中庸な本来の姿に近づいていくのではないでしょうか。

YOGAエグゼクティブディレクター ヤスシ先生

ヤスシ先生の体質
若い頃はやや、やせ型。ダンスをしている頃はカロリー消費量が多く、一定の体重をキープするのは難しくありませんでした。年齢を重ねると共に新陳代謝もスローになり、カロリーの燃焼も遅くなったようです。

それぞれの存在価値と美を
ヨガ哲学では、森羅万象は宇宙的レベルの「意識」が作り出すものだと考えられています。この「意識」とは私たちの一般的な意識レベルを遥かに超えています。たとえば「意識」が「水」の要素と結びついてふくよかな体という個性が作り出されるように、「意識」が感情・思考・体などの「形」になるときには自然界の要素(地・水・火・風・空)の影響を受けるとされています。

体の個性について、私たちは長所・短所という言葉で判断しがちですが、いろいろな「形」が存在するということは、それぞれに存在価値があり、それぞれの美が求められるということです。また、他の人と同じ方法が同じ結果を生むわけではないともいえます。

人生を長い目で見ると、太りやすい時期、落ち着く時期があるような気がします。まずはバランスのとれた状態=心身健康な状態を土台とし、与えられた個性を理解したうえでどのように輝かせるかを考え、積極的な行動に移すことが大切では?

文(ヨガ)ヤスシ/取材・文 古金谷 あゆみ/「スタジオ・ヨギーのある生活」vol.18より