ちょっと欲ばって、ヨガとピラティスとビューティ・ペルヴィス、3人の先生に質問! 3つの答えは、同じようで違うし、違うようで同じ。あなたの「?」を「!」に変えます。

Question
長いことヨギーに通っているのですが、実は「精神面の変化」というのが私にはまだよくわかりません。価値観や人生が変わったというようなお話を聞くといいなあと思います。なぜクラスで体を動かすことがそういう変化につながるのでしょうか?

BEAUTY PELVISプログラムディレクター/b-i STYLE代表 kyo先生

kyo先生の変化
もちろん素晴らしい感動によって変化したこともありますが、今までで一番大きく変化したのは「つらい」「悲しい」「苦しい」という想いを味わったときでした。失敗が自分をみつめ直すきっかけを与えてくれました。

美しさは礼儀正しさと思いやり
ビューティ・ペルヴィスのクラスでは、丹田への意識や体をコントロールする感覚を磨きますが、それが日常生活での立ち居振る舞いの美しさにつながります。実は、静かに歩いたり音を立てずにそっとグラスを置いたりすることも、体の要である骨盤が安定しているからこそできることなのです。骨盤が安定した体でしなやかに動くことができるようになると同時に、礼儀正しさや相手を思いやる気持ちからも美しさが育まれていきます。

人と同じ変化がないと心配になるかもしれませんが、誰かと比べなくてもいいのです。通い続けているということは、それだけでも自分にとっての変化では? たとえば嫌なことがあってもレッスンの後はすっきりしているなど、小さな変化で自分の感じたことを大切にしてください。

“価値観や人生が変わる”ことばかりがよいわけではありません。変える必要がないぐらい、今、自分は充実しているということなのかもしれませんよ。

PILATESプログラムディレクター マミ先生

マミ先生の変化
ピラティスを始めてから体の感覚に敏感になり、食事や生活が変わりました。腹八分目や規則正しい生活などを意識すればするほど体が変わることがわかり、自然と心身ともに健康的な生活に近づいてきたと思います。

姿勢を整えると前向きになれる
たとえば気持ちが落ち込んでいるときは猫背になりやすいように、心と体はお互いに影響し合っています。ピラティスなどで姿勢を整えると気持ちまで前向きになってくるのはそのためです。正しい姿勢でいる時間が長くなればポジティブな精神状態も長くなりますから、クラスで正しい姿勢を身につけることが精神面の変化につながるともいえるでしょう。

「気持ちが変わるよ」と言われ、ドクターからのすすめでクラスに参加する方もいらっしゃいますが、続けるうちに表情が明るくなっていくケースが多いですね。その方たちに共通しているのは、変わるか変わらないかをあまり気にせず、楽しそうに動いているということです。

精神的な変化について話を聞く機会も多いと思いますが、それを求めすぎてしまうと体の効果も感じられないまま逆にストレスになってしまうかもしれません。今、気持ちよく続けられているのであれば、それはそれで素晴らしいことだと思います。

YOGAエグゼクティブディレクター ヤスシ先生

ヤスシ先生の変化
自分を客観的にみつめることで、ネガティブな感情から立ち直るのが早くなりました。ヨガ哲学から多くのヒントを得たと同時に、究極的な「教え」は自分を含め多くの登場人物が交差する日常生活で培われたと思います。

心と体は波長の異なる同じもの
光がプリズムを通して七色の虹になるように、ヨガでは心も体も同じものからできていると考えます。少し言葉が専門的になりますが、人間は「大いなる意識」が体・生命エネルギー・心・理知・真我の5つに現れたものです。このように「自分」という存在を捉えると、私たちは心や体でありながらもそれのみではないということになります。

たとえばあるネガティブな感情が「自分」のなかの一部である「心」のレベルで起こったとしても、そのエネルギーは自己の本質である「真我」までは届きません。心から喜怒哀楽が生まれ、そのドラマに一喜一憂するのも人生ですが、違うレベルでは静かな湖のような存在でもあると知りたいものです。

実際には人生の経験のなかで「体」での行動や「心」に起こる感情(実は自分で選んでいる!)の観察を始めてみましょう。それを繰り返すうちに自己の捉え方が肯定的で安定したものへと変わるのではないでしょうか。気づけば変わります。

文(ヨガ)ヤスシ/取材・文 古金谷 あゆみ/「スタジオ・ヨギーのある生活」vol.19より