加熱しない、生のままの食材を使った食事、“ローフード”が注目されていますが、どうして体にいいのでしょう? 生野菜は体を冷やす、とか聞きますが、そうではないのでしょうか? 

オーガニック業界の魅力やトレンドを発信する総合情報サイト「オーガニックプレス(Organic Press)」編集長の佐藤あきさんにお話しを聞いてみました。

――そもそもローフードはなぜ流行ったのでしょうか? 

今から15~16年ほど前でしょうか、ニューヨークへ行った時の事。当時、知らずにふらりと入ったオーガニックレストランが、ローフードレストランでした。RAW FOODについてまったく知識がなく、オーダーしたRAWのハンバーグ(野菜や穀類、ナッツ、シードなどでつくられた植物性ハンバーグ)や、ひじきのサラダを食べて、今まで出会ったことのない味に衝撃を受けたのを覚えています。(笑)

そういえば、その後、ニューヨークを舞台にした海外ドラマ「SEX AND THE CITY」でも、ローフード専門レストランへ食事に出かけるシーンが登場しましたよね。

日本でもじわじわと注目されてきたのは、もともと日本にあった発酵食や酵素の働きが見直されているところに、ファスティングダイエットブームが登場。海外のモデルやセレブがRAWを食生活に取り入れているという雑誌やインターネットによる情報、そこにさらにスムージーやコールドプレスジュースのブームが後押ししたことが大きいのではないかと思います。

「RAW FOOD」は、加熱によって損なわれがちな、酵素やビタミン、ミネラルなどが破壊されにくく、効率よく摂取できるとされ、健康志向で美容に気遣う女性のハートをわしづかみに?

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なるほど。ローフードが広まった背景には「ダイエット」「ファスティング」「デトックス」といった美容や健康に関するキーワードがありそうですね。マドンナが取り入れていることでも有名になって、そんなに数は多くないですが、東京でもいくつかローフードレストランがオープンしましたね。最近ではコールドプレスジュースやロースイーツを中心に専門店なども増えているようです。

ローフードの定義とは?

ローフード(raw food)とは、酵素を含む食べ物を多く摂取すれば体に良い効果があると考え、加工されていない生の食材を用いた食品、あるいは食材を極力生で摂取する食生活(ローフーディズム)のことである。リビングフード (living food)とも呼ばれる。ローフーディズムは植物性食品のみを食べるローヴィーガニズムと混同されることが多いが、ローフードの実践者の中には、生であれば、動物の肉や、その他の動物性食品を食べる者もいる。食物が持つ、加熱によって失われがちな酵素やビタミン、ミネラルなどを効率よく摂取することを目的とし、酵素が破壊されないとされている摂氏48度以下でならば加熱してもかまわないと考える人もいる。(wikipediaより)

つまり、体に関する効果として、消化酵素と代謝酵素を合わせて一定の酵素が体内で働くので、消化に負担の少ない食べ物を食べることで、代謝酵素がより働くことがあげられています。ローフードの食事は、それ自体が体内で自己消化されるとも言われています。

どんな効果があるの?

ローフードを取り入れると、やせる、疲れにくい、肌の状態がよくなる、気分がよくなる、体調がよくなる、という声が聞かれるそうです。

ただ、ローフードに偏ることで、カルシウムやビタミン類、鉄分、タンパク質などが不足しがちになるとも言われ、無月経になったり、成長期の子どもには生育に影響する事例もあるようです。自身の体調をみながら取り入れるのがよいですね。

ローフードにはどんなものがある? アーユルヴェーダではどう考える? につづく

協力 オーガニックプレス/企画・編集 七戸 綾子