あらゆる瞑想法のなかでも、ヴィパッサナー瞑想は10時間×10日間もの長期間、沈黙を守って瞑想をする合宿が有名です。このリトリートに何度も参加したことがあるキミ先生にお話を聞いてみました。

――10日間も瞑想するのは大変ではありませんか?

はじめの3日間は足が痛くなったら崩してもいいと言われたのですが、それ以降は絶対に動いちゃだめと教えられて、困ったなあと思いました。毎回足が痛くて大変だったからです。痛みがあったら、それに反応して嫌悪感を抱くのではなく、ただ痛みを見つめればいいと先生に教えられました。

膝の痛みが増すばかりでしたが、その痛みに対して体が反応して力を入れていることにふと気づきました。それで力を抜いてもう一度痛みを離れたところから見つめたら、痛みの中心まで意識がたどりついた瞬間に、パッと痛みが消えました。耐え難い痛みが本当に一瞬のうちに消えたことに驚きました。

――痛みがなくなったんですか?!

そうです。痛みが消えた!という体験をしたことによって、瞑想中に過去の出来事や感情を思い出しても、それをやがて消えるものとして静かに観察することができるようになりました。

また、毎回この瞑想を終えると直感が冴えます。何年も前に親しかった人の顔が突然思い浮かんだかと思うと、バッタリ目の前で会ったり、「流れ星」というインスピレーションが来て空を見上げると、流れ星がツーッと見えたり。

――どんな人でも直感は鋭くなりますか?

直感は、超能力のような特別なものではなくて、誰もが持っている内なる自分の自然な智慧です。本来は、自分の直感で自分に必要なものはわかります。雑誌やテレビなどの情報と違って、沈黙や瞑想による内なる自分から来た情報は、自分のためのものです。

――瞑想とは何でしょうか?

本来の自分に戻ること。ヨガでは、本来の自分を真我=アートマンといいます。

年齢を重ねて変化する自分、好きになる人や趣味の好みが変わったりする自分、痩せたり太ったりする自分、会社ではこんな自分、家ではこうだけど友人の前ではこういうキャラ……というように、いつも変化している自分を本当の自分だと思っているけれど、本来は永遠に変わらない魂があって、それが真の自分だということに気づくこと。

真の自分とは、宇宙の意識そのもの、至福、愛だとされています。

取材・文 古金谷 あゆみ/「スタジオ・ヨギーのある生活」vol.3より