日常の道、旅先での道、思い出の道。道は人生の軌跡でもあり、未来でもある。
時に振り返ったり、立ち止まったり。だけど必ずどこかに続いているもの。
道で出合ったもの、道で思ったこと。ここにあるのは、それぞれにとっての大切な「道」。

「スパイスの道」メタ・バラッツ / スパイス番長・ スパイス学講師

モーガン・フリーマンみたいに…映画で言うならばスパイスは名脇役。
主役を引き立て映画そのものに美しさと感動を与えてくれる。スパイスとはそういうものであると私は思う。スパイスが通ってきた道は歴史を作り、そこには様々なひと、もの、食材と言う主役が引き立たされ、世界の歴史の1ページを創ってきた。スパイスを持って私が歩く道も人が輝き、ものが更に魅力的にそして食材が活かされるものにしていきたい。魔法使いみたいに。

「マンハッタン」ヤスシ / スタジオ・ヨギー エグゼクティブディレクター

マンハッタンの街は南北に走る大きなアヴェニューと、東西に走る小さなストリートからなっている。何百万人もの人が多くの道を交差しながら、それぞれの人生を歩んでいる。アヴェニューを渡りながら、視線をダウンタウンへと続く道のむこうの空へと見あげてみた。息をつめるように生きてしまう僕を「力抜いてもいいよ~」と誰かが微笑んでいる気がする。心の中を柔らかい風が抜け、笑顔で歩もうと思い出す。

「海の道へ」杏橋 幹彦 / 写真家

野生の地球が生きる、人を知らない波へ行く為には、この小舟が唯一の交通手段。
山と海の隙間の小さな空港の目の前に広がる昔のままの人為のない景色。命をかけなくては、本当の写真ではないとの憶いと、自分の未来の方向と一条の道を探しに、人を知らない大波の中へと向かいました。地に足が着く世界との決別の道、水の記憶を辿る道へ。

「パリの道の向こうに」森川 明子 / 助産師

“ガスケアプローチ”という産後のケアとエクササイズについて学ぶためパリを訪れたときのこと。小雨の降る中、ただただ足早に歩いていた。赤信号で立ち止まり、空を見上げると灰色に染まったその空に、一筋の虹。
助産師になり10年。東京で過ごす毎日はいつも足早で充実なのか忙殺なのかさえ分からなくなる。そんな中、ガスケアプローチを広め、模索する私のこれからの道。だからこそ、心に虹をかけて、焦らず迷わず、真っ直ぐ自分の道を進んで行きたい。

編集 横山 直美