外国から入ってきたものをうまく取り入れて独自の食文化を築いてきた日本人。カレーライスはいまや、立派な和食ですね! みんなが慣れ親しんだ家庭の味、教えてもらいました。

「母のカレーライス」松田 可奈/編集者

仕事が好きで、どちらかというと料理が得意ではない実家の母。
うちの娘が給食のカレーライスに目がないと話したところ、
孫娘の喜ぶ顔見たさに作ってくれた。
思えばカレーライスは母の好物でもあり、実家の食卓によくのぼっていた。
私の記憶では、母はカレーにウスターソースをかけて食べる(父はプラス生卵)。
あれが大人の食べ方かあ、と憧れをいただきつつ眺めていたっけ。

そんな母のカレーライスは、
ルーの箱の裏にあるレシピ通りのごく普通のカレー。
具は、にんじん、じゃがいも、玉ねぎ、牛肉(カレー用の角切り肉)。
野菜の切り方も、真面目な母らしく、大きさがそろっている。
ご飯はやわらかめに炊いた白米。福神漬を添える。
久しぶりに食べた母のカレーライスは、ああ、これこれ、と懐かしい味。
幼いころから親しんでいた味に、心が満たされた。

「ダルバート・カレー」あき/主婦

我が家ではいわゆる日本のカレーライスのほか、
私が幼少時から長年過ごしたパキスタンやネパールのカレーをよく作ります。
7歳の娘は右手の第二関節までしか汚さずに(私が子どもの頃このように教わりました)、上手に手で食べることができます。

この日のランチはネパールのダルバート。
ジャガイモ、トマト、ピーマン、大根、長ネギなど残り野菜がたっぷり入った野菜のタルカリ(カレー炒め煮)、レンズ豆のスープ、炭火で焼いたひよこ豆とアーモンドの粉を練りこんだビーフシシカバブ。
ライスは決まってタイ米です!

「N.Y.の野菜×インディアン」MIYUKI.M/インテリアデザイナー

インドを旅して以来はまっているのが、スパイスで作るインドカレー。
野菜はファーマーズマーケットでニューヨーク産の新鮮なもの、
スパイスは近くのヘルスストアーから調達。
今回は、ガラムマサラ、クミン、カルダモン、コリアンダー、ターメリック、レッドチリペッパー、ブラックペッパー、シナモン、ガーリック、ジンジャー、ソルトを使いました。
スパイスさえあれば、何を入れてもなんとな〜くインディアンな味になる。

少々手間がかかるため、作るのは時間に余裕がある時。
週末友達を招待してのディナーパーティーや、パートナーと食します。
ご飯は白飯+押し麦。 
ヨーグルトでクリーミーさを出すときもあるけれど、今回はココナッツミルクでした。

「そろそろ、のひよこ豆カレー」中村 宏子/料理家

まずはスパイスを炒めるところから。
と言っても、思っているよりずっと簡単。
多めにペーストを作って、半分ずつ違うカレーになったりする。
我が家の定番はひよこ豆カレーで、ひき肉が入る事も。
カレーに合わせるごはんは白米もいいが、玄米の事も多い。
インド風でも、なぜか福神漬けは必須。
帰宅した家人に、
「あ、今日カレーでしょ? そろそろ食べたいと思ってたんだよね」
と言われる時が作り時?」

編集 増本 幸恵