出会いはナチュラル指向なイベントで。その人たちは自分の農園で採れた作物や、人参に味噌を付けて売っていた。その後、ブログに書き込んだんだったか、お試しセットを頼んだのがきっかけか、急に仲良くなって田植えに誘ってもらった。初めての援農だった。

労働と引き換えに、申し訳ないくらいの収穫した野菜等をを頂いて帰る。それ以降、援農に行く時は、お昼ご飯になるものや、おやつを作って持って行くも、いつもそれ以上のお土産を頂いてしまい、わたしの中ではまだまだ借りが残っている。

もう一人、家人の友人が淡路島に移り住み、そこで結婚し子供が生まれ、家庭菜園を始めていた。黒豆を分けてくれるというので頼んだら、野菜の詰め合わせが送られてきて驚いた。すでに家庭菜園の域を超えてしまったようだ。無農薬ゆえ、虫食い穴の空いた青梗菜、ミネラル感のある菊菜、ひげ根がぼうぼうの蕪…どれも力強い味だ。こんなに濃い味の物はなかなか買えないと思う。持つべきは農家の友達、近ければ労働でお返し出来るのに、と歯がゆい思いだ。

農家ではないが、郊外に畑を借りている友人もいて、実はちょっと当てにしている。

写真&文 中村宏子