菜の花と言えば、ちょっと前まで「(セイヨウ)アブラナの花芽のこと」だったのに、最近ではアブラナ科の花芽いろいろ、種類も多くなっている。青梗菜や紅菜苔、菜心などの中国野菜系の菜の花もあったり、それらの交配種のアスパラ菜(オータムポエムなんていう別名も)、ブロッコリーとの掛け合わせのスティックセニョールは菜の花と呼んでもいいものか?はなッコリーなんていうものまであって、本当にややこしい。加えて全国の在来種の○○菜、なんていうのもあるだろうから、まだまだ知らない菜の花がたくさんありそうだ。

味わいも、菜の花と言えば昔はもっとほろ苦かったような気もするのだが、食べやすい方向に改良されているような?幅広い世代に好まれるには致し方ないのかもしれないが、ちょっと残念でもある。

菜の花をまずはからし和えに。当たり前すぎる料理だと思っていたのに、ある時、人の集まるところに持って行ったらひどく喜ばれ、たくさん食べてくれた人がいて嬉しかった。どこか懐かしく、決して古くはないのだ。

作り方は、菜の花を軸の芯の白いところが無くなるくらいに茹で、うすくちしょうゆ、からし、出汁、みりん(省略可)の液に浸す。しばらく馴染ませてから盛り、白ごまをひねりながら振る。しょうゆとからしとオリーブ油というのもいい。

写真&文 中村宏子