カレーをスパイスから作る時、クミン、コリアンダー、ターメリック、カイエンペッパーの4つが入れば立派なカレーになるが、中でもクミンは、一番カレーを感じさせる香辛料だ。クミンシードは、そのままだと清涼感を伴う苦みがあるが(さすがはセリ科の植物)、炒るとナッツのような香ばしさが出る。

クミンにはシード(種)とパウダー(粉)があり、ここではシードを使ってクミン塩を作る。クミンシードと塩は同量、まずは大さじ1ずつで。クミンシード大さじ1をフライパンに入れ、弱めの中火で茶色く色づくまで炒る。粗熱を取ってから、すり鉢に入れする。クミンシードは熱を加える事で香りがたってくる。半ずり〜粉末状に、そこはお好みで。粗塩大さじ1を加え混ぜ、ジャム瓶などに入れ保存する。

さて、どんなものに合うかと言えば、ほぼ万能なんじゃないかと思うほどで、オリーブ油で焼いただけの野菜、例えば1cm厚さに輪切りにしたにんじん、じゃがいも、玉ねぎ、大根、れんこん、ズッキーニなどにぱらぱらとふりかけたり、ゆでた豆や、豆腐だったら冷や奴にオリーブ油、水切りした木綿豆腐を四角く切って油で焼いたものにも合う。ビストロの定番、キャベツのクミン風味だってすぐに出来る。スープの香りづけにもいいし、もちろん肉に魚に、とにかく何にでも試してもらいたい。

写真&文 中村 宏子