気がつけば、家々の庭先の梅の木に青い実がなっている。店頭にもちらほらと青梅が出回る季節になった。まだまだ青くて固そうだ、すぐには飛びつかないぞと決めていたのに、先日千葉に行った時にたまらず、そばかすの多い野生児な梅を1.5kgばかり買って帰ってしまった。

梅を大きなボウルに入れ水を注ぐと、表面の産毛のような部分が水をはじいて、何ともメタリックな感じになるのが好きだ。その美しさにしばし見とれる。さて、梅酒にしようかシロップか、迷いながらザルに上げ、まだ香りが立っていないので数日追熟する事にする。

以前は梅酒がメインだったのが、梅シロップを作ったり、味噌やしょうゆに漬けてみたりと色々試した。そのうち、梅酒はそんなに減らないので数年に一度になり、梅シロップも黄色く熟した梅で作るようになった。なので、青梅を買うのは実は久しぶり。梅酒だったら43度の泡盛の古酒で漬けたものがおいしい。ここ数年やっていないし、やっぱり梅酒を漬けようか。いやいや、黒糖で漬けたシロップもすばらしい。数日考えるとしよう。

写真&文 中村 宏子