ごぼうは意外と早くやせていく。根菜だからと油断して、買って何日かしてから料理しようとしたら、芯の部分がスカスカになっていたり、妙にしなりが良くなっていたりする。2、 3本入りのごぼうは早めに、と言うかいっぺんに小さな惣菜をいくつか作ってしまった方がいい。

まずはたたきごぼうのごま酢和え。すりこぎ等でごぼうを叩いて繊維をつぶすのだが、茹でる前に叩いてしまう方法よりも、茹でてから叩くのがおすすめ。何故ならば、生のままだと力がけっこうかかって、思いもよらない割れ方をしてしまうから。ごぼうはたわしで洗い、5cmの長さに切る。水から茹でて、芯まで柔らかくなったらザルにあげる。熱いうちにすりこぎか麺棒でやさしく叩き、太いものは半分〜3つに割る。これを、米酢、うすくちしょうゆ、みりん、すりごまを混ぜたものに漬ける。キリッと酢が多めなのもいいし、出汁があれば少量加えるとまろやかになる。

次にごぼうのはちみつバルサミコしょうゆ風味。たたきごぼうと同じく5cmの長さに切り水に暫く晒す。水気を拭いて、多めのオリーブ油の入ったフライパンで転がしながら、弱火でゆっくり火を通す。竹串がすんなり通るくらいに柔らかくなったら、一旦ペーパータオルの上に取り出す。フライパンに油が残っていたら拭き、はちみつ(メープルシロップでも)、バルサミコ酢、しょうゆを同量フライパンに入れ、しょうがの皮、唐辛子、先ほどのごぼうを戻し入れ、水分が無くなるまで煮る。粉山椒か粗挽きの黒こしょうを振ってもいい。

おまけはごぼうの中華風。以前、とあるお店のつまみで出ておいしかったものを再現(正解をすでに忘れてしまっているが)。ごぼうは斜め薄切りにして水にしばらく晒し、ザルにあげておく。フライパンにごま油、千切りのしょうが、干しえび、唐辛子を入れ熱し、ごぼうを加える。半分くらい火が通ったら、酢、酒、少量のきび砂糖、しょうゆを加え炒める。

冷蔵庫で4、5日保存出来るので、普段のご飯のもう一品、お弁当のおかず、先の2品はこれからおせちにも使える。

写真&文 中村 宏子