あっと言う間に新緑の季節になっている。本当に春は短くて、もはや初夏の領域に突入しているようだ。先日、東京郊外の里山を散策していたら、山菜採りと思しき先輩たちがいて、何を採っているのかと声をかけるも、笑って教えてはくれなかった。何か木の芽のようなものを採集していたようである。私たち素人は足下の野ぜりと三つ葉の恩恵にしか預かれなかった。

先月、近くの寺で青空市が開催された時に、こしあぶらとこごみを手に入れた。こごみは透明カップに入って¥100。近頃はスーパーマーケットでもふきのとうやうど、たらの芽等が売っているのは珍しくないし、うるい、わらび、こしあぶらやこごみ等も割と簡単に手に入る。出回る期間が短い物もあるので、マメにチェックを入れているが、本当は山に分け入り山菜採りに憧れる。山の物は野趣溢れる風味だし、街のもの(主に栽培種)は食べやすくなっているのだろう。青空市で買ったこしあぶらはご飯に混ぜた。まさに新緑の香りご飯。

花穂の付いた花わさびは、見た目の可愛らしさにわさびである事をうっかり忘れてしまうが、しっかりと辛く苦味もある。その辛みが飛ばないようサッと茹でて、おひたしが一番。山菜はおひたしか天ぷら、もしくは味噌やマヨネーズをちょこっと、ありきたりだがそれでいいと思う。余るほどあるのなら色んな料理で楽しむのもいいが、やはり色と香りを楽しみたいもの。

わらびの灰汁抜きは重曹以外に小麦粉と塩でも出来ると聞き、早速試している。コロイド粒子となった小麦粉が灰汁をどんどん吸着してくれるとか。500ccの水に小麦粉大さじ2、塩小さじ1を入れて火にかけ、沸騰したらわらびを入れて弱火で3分、冷水に取り1時間ほど晒しておく。下処理をしたはいいけれど、その先を考えていないのはよくある事。量は多くないので、何か相性の良さそうな食材を合わせようと思う。油揚げ? 鶏肉? 水に晒しながら考える。

写真&文 中村 宏子