近くに住む越後湯沢出身の友人が、実家からの宅配便に入ってくる、“多すぎる” 山菜を度々お裾分けしてくれる。まるで「お母さんの宅配便」そのものだ。彼女の小学生の子どもたちはやはり食べないらしく、うちに回ってくるのは何とも嬉しい限り。街で手に入る山菜とはちょっと表情が違う。山うどは濃い緑色で、強い香りを想像したら、意外と食べやすかった。アスパラほどの太さの軸は、サッと茹でてから豚肉と一緒にごま油で炒め、みりんと醤油で薄めに味付けし、葉先は天ぷらにする。

ナムルや山菜の水煮でお馴染みの干したゼンマイは、調理済み品を食べる機会があっても、調理するのは初めてだ。ゼンマイの入ったボウルに熱湯を入れ、冷めるまで放置するのを2回くり返して戻すのだそう。食べ方を聞くと、甘辛く煮たり、ご飯に混ぜたりするという。わたしの中でナムルと甘辛煮が合体して、韓国風の、ちょっと辛い煮物になった。常備菜にと思っていたのに、あっという間に無くなってしまった。それほど美味しかったのだ。思いつきでたけのことじゃこのパスタにも入れたが、それも中々だった。

今回初めて知った山菜、あけびの芽。それを南魚沼地方では“木の芽”と呼び、春が来たなぁと感じるんだそうな。これは全国的な山菜では無いようで、すぐ隣の群馬では食べる習慣が無いらしい。友人のメモにはサッと茹でてから水に晒しておくとあるが、なるほど、3時間ほど晒しているが苦味はまだ強い。おすすめの食べ方は生卵としょうゆで食べるとある。粘りがある訳ではないのに生卵と合わせるとは意外だが、生卵で苦味を中和させるという事だろうか。他にはごま和えやマヨネーズで食べるのだろう。食感はおかひじきの軸の部分のようだが、かと言って筋っぽさは全く無い。わたしはチーズと一緒にオムレツにしたり、鶏のササミと合わせて棒棒鶏風のたれでいただいた。

越後湯沢で育った友人と東京育ちのわたしがたまたま同じ町に住んでいて、知らない味を教えてもらえるなんて、なんとも有り難い事だ。

写真&文 中村 宏子