いいこと。わるいこと。

幼い頃、
あなたは親が与えてくれた“ものさし”で
あらゆるものを測った。

学校に入って、先生から
新しいかたちの“ものさし”を受け取った。
長さだけじゃない、角度だって、
重さだって測れるようになった。

でも、ふと気づく。
自分と友だちの“ものさし”が違うことに。
初めて友だちの家に泊まりに行ったとき、
カレーの味が違ったように。
友だちの家の晩ごはんは、
なんと不思議な味がしたことだろう?

もしかしたら世界の広さを予感したのは
その頃だったのかもしれない。

やがて
あなたは
人を好きになった。

気持ちという目に見えないものを
計ろうとしたけれど
それまでに持っていたどの“ものさし”も
使えなかった。

本を読み、歌をうたい、
遠い憧れに向かって旅したくなった。
じっと座って考えこんでいたかと思えば、
どうしようもなくなって走り出した。

どこを探しても
答えはなかった。

あなたは自分の“ものさし”を作り始めた。
作っては壊し、作っては壊し、
美しさと完璧さと自由を求めて……

そして、今。
自由に生きられる大人になった今、
あなたはどんな“ものさし”を
持っているだろう?

***

ことばをお聴きのみなさまへ

こんばんは。今夜のキーワードは「自分のものさしを持つ」でした。どこまでもどこまでもこころの世界を広げてくれる内田松里さんの絵。今夜の「宇宙」の絵にこめられた想いをご紹介します。

「自分のものさしを持つ」を読んだとき、すぐに「宇宙」の絵が思い浮かびました。

私も昔から自分のものさしでいろいろなことを計ってきました。学んできた道、出会い、経験、旅、ほんとに多種多様な色々なものを肥やしに、自分のものさしは作られてきました。その都度変わる自分のものさしで計りながら……。いいかげんなものさしだから計り間違いもあって失敗したり、ごまかしたり、時には長さ足りなくて計らない!って、無茶苦茶したり。そんな自分も好きでした。

でも、人生最大の危機に、試練に、直面してから……

“自分”のものさしではなく、“神”のものさしがある、ということをはっきりと感じました。全宇宙の神が計っている、宇宙を制御しているスケールです。神がすごいスケールのものさしで宇宙の動きを計っているので生命は生きて存在することができる! ちょっと説明がうまくいかないな。私のものさしは、神のものさしです。(内田松里さん)

レシピに大さじ3と書いてあっても、多すぎると感じれば控えるし、足りないと感じれば足す。それと同じようなことを、たとえば大きな組織や尊敬する人に対しても、感じていられるかどうか……。むずかしいときもあるけれど、人とちがったときは初々しく話せたら楽しいなと思います。

さて。こちらも“ものさし”のひとつ。「あなたの大切にしたいことはなんですか?」これまでにおたよりを送ってくださったみなさんのオリジナルのキーワードをご紹介します。

◯日々のわくわく(ヤンソンさん)
◯誠実に生きること(おかさなさん)
◯からっぽ(ぼこさん)

◯私自身
大切にしたいこと。それは、私自身。つい、後回しにしてしまい、子どもや夫にイライラ。そうならないように、まずは私自身を大切にしたいです。

◯私が、今大切にしたいものは、「自分の身体の声」と「自分の正直な気持ち」です。(みくさん)

◯心遣い
私の上司がことあるごとに、ありがとうと言ってくれます。心遣いのある方でとても尊敬してます。たとえば、お茶を出したとき、ありがとう。書類を持っていったら、ありがとうと。私もすみませんよりありがとうと言うように心がけています。(手巻き猫さん)

◯思いやり(なおごろうさん)
◯自分で決めた優先順位に自信を持つこと(ヒコロロタさん)
◯自分らしさ(ハルとハレさん)

◯つながり
目に見える事物も、目に見えない事物も含めたつながり。祖父母がいて、父母がいて、私がいる。(ヨウジさん)

◯自分ひとりじゃない(スミさん)

大切なことを聴かせてくださって、ありがとうございます。おたよりはいつでもこちらから。

イラスト 内田 松里/文 古金谷 あゆみ