みて!

なあに?

ほら、みて!

どれ?

あれ

あれって?

それ

それって? あの星のこと?

ねえ、ぼくにきかないで。はやくみてよ

だから、なにを?

なんでもいいんだよ
おかあさんがみたいものをみればいいんだよ

おかしな子ねえ
じゃあ、ほら、見てごらん
だんだん山んとこがあかるくなってきたよ

そういうことじゃないんだよ
おかしなおかあさんだなあ
ぼくにみせたいものじゃなくて
おかあさんがみたいものはないの?

だって、せっかくの夜明けなんだから
ちゃんと見せてあげなきゃとおもって

りゆうなんかいらないんだよ
つまらないものみたっていいんだよ

むずかしい子ねえ
じゃあ、なに、なにを見ればいいの?

むずかしいおかあさんだなあ
みたいものをみるのが
あたりまえじゃないか
ぼくはおかあさんじゃないんだから
おかあさんがなにをみたいかなんて
きかれてもこまるよ

だって、「みて」っていうから

だって、みてほしいんだもん

だから、なにを?

だから、おかあさんがみたいものを

ことばをお聴きのみなさまへ

こんばんは。この連載ではヨギーが大切にしていることば「美しく生きる」について19 のキーワードで感じたり考えたりしてきましたが、なんともう今夜が最終回です。さみしーい。20番目の最後のキーワードは、こころとことばをくっつけて、ぜひ自分で書いてみませんか。

2020年 なにをみたいですか?

流れ星をみたい、と思えば、流れ星が
やさしさをみたい、と思えば、やさしさが
目に入りやすくなる気がしています。

あたらしい年になったら
どんな体験をしたいでしょうか?
それはつまり
どんな気持ちになりたいからですか?

ぱっと浮かばない人もいるかもしれません。私も浮かばなかったので、20番目のキーワードは自分に言い聞かせたいことにしました。

もっと自分の気持ちを
大事にしてあげてもいいんだよ

なーんだ、そんなこと、です。もっと語呂も語感もよくて格言みたいにかっこいい言葉を心に刻みたかったのですが、どんなに考え直してもしっくりこなくて。だれかが私のために語りかけてくれている、と感じられるような日常的な言葉のほうがかえってパワフルでした。

だから、私も、このなんでもない言葉で
あなたに語りかけたいのです。

もっと自分の気持ちを
大事にしてあげて

と。

先日yoggy institute labで行った書く瞑想ワークショップ「わたしにかえる時間」で伝えたかったのも、ひとことで言うとそれだけです。その日のことを書くとまたじーんとして長くなってしまいそうですが、ひとつだけ。

ワークショップやそのデモクラスでも、おたよりのなかでも、涙を流しながらことばと向き合ってくれた人が何人もいました。

人はどういうときに泣くんだろう?
人はどういうときに笑うんだろう?

私は子どもの頃からずっとそれを考えてきていて、いろいろな答えを考えては上書きしてきたのですが、今年もこの連載を通じてまた答えがあたらしくなりました。「涙も笑い声も心と体がぴったりくっついたときに出てくる」のではないかと。特に涙は「わたしはそれを大切にしたいんだ」という、心の中のすごく純粋な場所に触れたときに流れるんじゃないかと、読者のみなさんのことばを聴きながら感じました。

2020年のことを考えるとき
2019年の涙や笑い声を思い出してみると
心と体がくっついたときを振り返ってみると
大切にしたいことば、信じたいことば
聞こえてこないでしょうか?

最後に届いたおたよりをご紹介します。

◯第十四夜「探求する」
いつも楽しみにしています。私は5年ほど前から頭蓋仙骨療法を学んでいます。昨年から学び直し、いつか家族以外の人に施術できるようになりたいと思ったのです。けど、どこかでモヤモヤ。「私にできるの?」「何から始めればいいの?」「ただ、憧れているだけじゃない?」本当に望んでいることなのか、どうなのか、とふとした時にこんな思いがよぎるのです。私にもキーパーソンとの出会いがあるかもしれない。そう感じました。
(ろこさん)

◯第十五夜「美学を持つ」
ヨギーに通い始めてから、ほんの1ヶ月と少しですが、わたしが通い始めたきっかけも要約すると幸せになることであるような気がします。わたしの場合は、ヨギーではピラティスをし、主に体幹を鍛えて脂肪を燃焼しやすい体作りをしようとしています。元々の目的としては、仕事を始めてから運動をする習慣がどんどんなくなっていった結果、仕事に疲れて、今年になって限界に達したのかストレスで体が悲鳴をあげたので、心身ともに健康になりたい、前向きになりたいというものでした。 健康になったら、前向きになりました。 前より仕事にももっと集中できるようになった気がします。運動の効果は、やってる人にはわかりますが、幸せを日々の生活に上乗せしてくれる存在です。さらにそれでダイエットも出来たら、もっと幸せです。これからもどんなに忙しくなっても、運動を続けていこうと思います。
(さやきゃん)

◯第十八夜「時代とともに呼吸する」
「よきもの」を見て、映画の千と千尋の神隠しを思い出しました。出禁な程汚れたお客様を、千が湯に浸からせるのです。そのお客様は実は神様で、綺麗になったら「よきかな」と一言残して去っていった場面。ドキドキハラハラしていても、その一言で胸のざわつきが治まり、千は自分で役目をこなせた安堵で、心温まるなと思った好きな場面です。私も「よきかな」と思える自分の内にある声を聞いてあげようと思いました。
(チャイさん)

◯第十九夜「ありがとう」
初めてこのページに行きつきました。とてもステキな言葉ばかりで。毎日日記をつけている私にとって、心に響く言葉が多くてメモさせていただきました。「ありがとう」今年は私の人生にとって大きな大きな変化のあった年でした。出逢うすべての人に感謝であり、これまで歩んだ自分の人生にも感謝の気持ちが湧き上がっています。私の頭の中にあることのすべてが変わり、新しい価値観 新しい信念 新しい言葉と世界が見え、自分らしい生き方や世界と繋がること、神の一部であることを感じています。生きてること、生きる意味、を日々感じながらいます。自分の誕生日を迎えたとき、もう一度繰り返したい一年だと思ったことが今でも忘れられません。こんな素敵なメッセージがあるなんて、出会えたことも嬉しいです。自分を生きるメッセージをありがとうございます。
(りえちゃん)

三者三様のおたより、ありがとうございます。この連載は終わりますが、また書く瞑想ワークショップやあたらしいかたちで、画面だけのことばのやりとりではなく、人と会いたいなと思っています。リクエストやご感想などこちらからお寄せください。

あなたのことばが
あなたの夜を、あたらしい年を
あかるく照らしてくれますように

きれいごとすぎるようだけど、ほんとに!


古金谷あゆみ がガイドをつとめる「書く瞑想」クラス情報
朝のジャーナリング~書く瞑想~
書く瞑想「わたしにかえる時間」満月編
書く瞑想「わたしにかえる時間」新月編

イラスト 内田 松里/文 古金谷 あゆみ