4.瞑想用のマントラ

グル(師匠)から授けられたマントラには力があります。その人に合ったものを授けるのです。たとえば、「やさしいけど、強さがあったらいいな」というような、人の資質を変化させる力を持つものもあります。

生きていれば、喜怒哀楽様々な感情を体験します。腹を立てずに24時間生きるのは難しいですが瞑想中には、いろいろな想いや感情が浮かんでもマントラに戻ろうとします。思いや感情もまた、バイブレーションですから、瞑想中に湧き上がる想いや感情をマントラによって、より良いものにおきかえることができます。それがマントラを使った瞑想にもなりえます。私たちの思いは、良くも悪くも膨らんでいくものですから、よりよい状態に変化させてくれるのを助けてくれるのがマントラです。

5.マントラには、意味(性質=グナ)があるものとないものがある

「オームナマッシヴァーヤ」は、シヴァ神に帰依します、という性質があるマントラ。それに対して、「オーム」、「ソーハム」、などは、性質を超え、壮大な意味をもつ抽象的なマントラです。

インドではマントラにメロディーがついて歌になったり、CDで販売され、お店では十年以上同じ曲が流れていたりもします。

6.正確さが大事?

もちろんマントラは、まちがったり、発音が違ったりすると意味が変わってしまう場合があるので、正確さは大切です。しかし、インドの儀式で僧侶たちが唱えるマントラでさえも、正確さや順番を間違えていたら謝罪をするためのマントラがあります。

古くは、僧侶たちが伝承してきたマントラは長男に受け継がれてきました。なぜなら、長男が父親の顎の形に近いから、次男には正確さが狂うので受け継がせなかったといいます。しかし、最近では、インド人だけでなく外国人にもマントラを伝える場所があり、それだけ多くの方々がマントラに興味を持っていると言えるでしょう。そんな中でマントラを学ぶ時に教えられるのは、心を込めて唱えなさい、ということです。長男で正しい発音ができていたとしても、上の空で唱える僧侶に比べれば、多少間違っても、まごころを込めて唱えることが大事だと教えられます。

7.聴いて覚えるのがおすすめ

マントラは聞いて覚えなさい、と言います。私はついついテキストを見ながら練習する傾向がありますが、聞くこと自体に価値があると先生方はおっしゃいます。精妙なバイブレーションに私たち自身の波長を合わせ、注意深く集中することも大切な学びだと。テキストを「見る」という行為よりも「聴く」ことの行為の方が、より精妙な状態になるそうです。「聴く」ことの中に「見る」ことが含まれているというのです。

インドでは、朝、夕と、マントラを詠唱する儀式があります。僧侶によって、お寺、アシュラムのお寺などでその儀式が行われます。インドのスタディコースでは、毎朝僧侶たちが唱えるマントラの美しい詠唱を見学し、そのバイブレーションの中で瞑想します。

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スタジオ・ヨギーのレギュラークラス「シヴァナンダヨガ」「ヨギーヨガ」「アシュタンガ」では、インストラクターがマントラを詠唱します。心地よい声に耳を傾けながらアーサナをしていくことができます。マントラをまず聴いてみたい、という方にもおすすめです。


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お話 ヨガインストラクター キミ/文・編集 七戸 綾子