ビューティ・ペルヴィス インストラクターのアキコです。漢方養生指導士としても活動しています。

秋は季節の変わり目。身体も冬支度の途中なので、寒風や乾燥への抵抗力が弱く、風邪をひいたり肌荒れや喉を傷めたりなど、真冬以上に不調が起きやすくなります。

身体の防御機能であるバリアを強化すると共に、早めに上着やストールを羽織る、加湿器を利用するなど物理的な工夫も必要です。

1.呼吸で内側から潤いを高める

風邪の予防にはバリアである粘膜の潤いを保つことが重要です。

身体の内側から潤いを高めるものとして「白い食材」、白菜、大根、レンコン、豆腐、豆乳、百合根、白木耳、白ゴマなどがお勧めです。全部合わせたら【豆乳鍋】が出来上がりますね。

白い食材には食性として身体を潤す作用があり、湯気による加湿効果も加わって、鍋料理はこの時期の乾燥対策としてもってこいのメニューではないでしょうか?

喉の乾燥による痛みには「大根飴」が効きます。大根を1cm角のサイコロ状に切って蜂蜜でヒタヒタに漬けて数時間おきます。そのエキスをお湯で割って飲んでください。大根もそのまま食べてしまいましょう。

さらに内側からの潤いを高めるには、食材だけでなく「呼吸機能」を高めることも大切です。呼吸には、空気中の水分を取り込み肺から身体中の細胞へミストのように潤いを噴霧する役割があるからです。

空気中の湿度が下がるこれからの季節は体内の乾燥が進みやすく、便が硬くなる便秘(コロコロ便)や乾燥肌が悪化します。年齢と共に乾燥が酷くなると感じるのは、肺機能の衰えとも関連します。

そこで重要なのが「呼吸法のトレーニング!」
ビューティ・ペルヴィス®では骨盤から深い呼吸を行っています。呼吸筋であるインナーマッスルを鍛えることは「潤いを保って若々しい身体づくり」という効果もあるのです。

口の中で舌をグルグルと回し、頬を内側からをなぞるエクササイズも唾液の分泌を促進するので、口腔から喉の粘膜の潤いアップに繋がります。

2.珈琲より紅茶を

朝は一杯の珈琲から、という方もこれからの季節は紅茶はいかがでしょう?

飲食物には食性として身体を「温める」「冷やす」という作用があり、珈琲は涼性(冷やす)・紅茶は温性(温める)です。紅茶の元である緑茶は涼性ですが、茶葉を発酵させ紅茶になると温性に変わります。同様にキュウリも涼性ですが、糠漬け(発酵食品)は温性食品になります。

手軽に身体を温める食材としてショウガとシナモンはポピュラーですね。ジンジャーティー、シナモンティーはより身体を温める作用が高くなります。

ところで、このショウガとシナモンにはそれぞれ2種類あることをご存知でしょうか?

指先・足先が冷たい末端冷え症の方には生のショウガを、シナモンなら桂枝(ケイシ)を。身体の芯から冷える冷え性の方は、ショウガは火を通して利用し、シナモンは桂皮(ケイヒ)をお勧めします。

ショウガはともかく、「桂枝と桂皮」の違いはわかりずらいですが、パッケージのラベル表示を参考にしてみて下さい。「枝」は末端へと熱を通し「皮」は胴体を温める、と覚えると良いでしょう。

ショウガはスライスして1度蒸してから干すと「乾姜」(カンキョウ)と呼ばれ、末端も芯も両方温める最強の食薬になります。

ここまで使い分けができたら温活上級者ですね。

3.季節の恵みは偉大なり

冬の寒さに備えて、免疫力を損なわない自家発電できる身体づくりが秋のポイントになります。

羊肉は身体を温める力が最も強い食材のひとつ。北海道名物のジンギスカン鍋は秋冬がお勧めです。

根本的に、適正な体温を維持する身体能力を高めるのは、ずばり、その熱エネルギー源となる「米と芋」です。特にこれからが旬となる山芋は、漢方薬で「山薬」と呼ばれ、最強のエネルギーを持っています。糖質制限している場合じゃありませんね。

秋は実りの季節。夏の間、太陽エネルギーをいっぱいに浴びた実りは生命力に溢れていることは言うまでもありません。

新米、焼き芋、栗、キノコ・・。秋の恵みは厳しい冬を乗り越える為に必要な天からの贈り物です。胃腸を労わる優しい甘みの穀物を中心に十分に正気を養うと共に、不要な消耗を避けることもまた大切です。

東洋医学では「汗は気の洩れ」と言います。サウナや岩盤浴はほどほどに。

また、日の出前・日没後の活動も消耗が激しくなります。秋の夜長は読書で過ごすのが良いようです。

身体を温める・潤す食品は日常ですぐに活用できるものばかりですが、それだけに注意も必要です。

たとえ食品であっても「過ぎたるは及ばざるが如し」

ニキビや口内炎ができやすい熱証の方には、生姜やシナモンなどの温性食品は症状を悪化させる原因になります。むくみや下半身の冷えを自覚する方には、潤い食品、特に乳製品はさらに身体を冷やし水の滞りを招くことがあります。

身体ケアも季節の特性と個人の体質をかんがみて行いましょう。

文 ビューティ・ペルヴィス インストラクター アキコ/編集 七戸 綾子