2月4日は立春、旧暦の新年です。

厳しい寒さも ひと段落、徐々に春の訪れが感じられる頃です。そろそろ花粉症の症状が現れていませんか?

春は心ときめく楽しい季節であると同時に、不調の多い悩ましい季節でもあります。

1.春に顕在化する体の症状…「のぼせ・めまい」「便秘」「肌荒れ」

東洋医学では、立春からの数か月を「発生」という意味の「発陳」(はっちん)と呼び、陽気(熱)が上がるにつれて起きる「のぼせ・めまい」など頭部に現れる不快な症状は春の特徴です。

湧き上がる熱により体の中が乾燥すると「便秘」になり、乾燥は肌バリアを弱め、舞い上がる風と埃で「肌荒れ」を起こします。そして杉花粉による「花粉症」。

春は良くも悪くも「目覚める」季節なので、持病がある方は特に春に顕在化しやすく、年間を通しても体調不安を強く感じる季節になりがちです。

そこで、東洋医学の智恵とビューティ・ペルヴィス®のメソッドから、「春を健やかに楽しむための養生法」をご紹介したいと思います。

2.ポイントは、熱のコントロールとデトックス

春の幕開けと聞いて、どんなシーンをイメージしますか? 私は「冬眠から目覚める熊」を思い浮かべます。熊は秋に栄養を取り込み、冬場は冬眠、再び餌が取れる頃まで飲まず食わずで過ごします。排泄も一切しないそうです。

ですから冬眠から目覚めると、 まずは排泄、ひと冬溜め込んだ老廃物を排出して『リ・スタート』に備えます。その排泄をサポートするのが「クマザサ」です。一説によると、冬眠から目覚めた熊が真っ先に食べるから「クマザサ」とも呼ばれ、それに倣って漢方では、腸内環境を整えてデトックス効果を生むお茶として用います。
※クマザサは、大型の笹で、葉に白っぽい隈取りがあるのが名前の由来で、隈笹と言われています。

熊などの動物と同様、人も自然のリズムに沿うことで本来備わっている自然調整能力・治癒力を最大限に発揮できると考えます。

早春に芽を出すふきのとうやゼンマイなど、灰汁の強い山菜も「毒をもって毒を制す」の理により体内の老廃物を排出する力をサポートします。しかも、身体の熱を冷まし乾燥を防ぐ効果も持ち合わせていますから、春の不調対策としてぜひ食していただきたい食材です。

もちろんスーパーでも買えますが、今年は野山に出掛け、自ら探されてみませんか? 私は毎年「ふきのとう」を取りに行き、天ぷらやふき味噌を作って食べるのが春の楽しみのひとつです。

野山を散策、歩くことで腸は刺激され、よりデトックス力を高めることにも繋がります。

冬は陰のエネルギーにより身体の内に向かって充実をはかろうとしますが、立春の声を聞くと陰から陽へ、充たすから発散に転換し、身体は内側からその機能を活性化、動き出します。

ですから意識して運動量をあげることもこの時期には必要なのです。

3.骨盤まわり、腹部のケアで、腸内環境を整えよう

ビューティ・ペルヴィス®では、文字通り骨盤(ペルヴィス)周辺の運動(ワーク)を行うことで、骨盤内の血流を促進して腸の働きを向上させます。

さらに筋膜トリートメントで、よりデトックス効果を高めましょう。腹部に両掌を重ねて置き、時計回りにセルフマッサージをします。

腸は免疫に関わる臓器です。腸内環境を整え免疫機能を高めると、花粉症などのアレルギー反応を軽減することにも繋がるでしょう。

春は自然界が最もドラマチックに動き、エネルギーが高まる季節。その流れにのって、恩恵に預かることで貴方の健美はより輝くものとなります。

旬の山菜と骨盤ワークで熱を抑え腸内環境を整えて、どうぞ一年の幕開けを健やかにスタートできますように!

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東洋医学の五行説で示される春の臓である【肝】を中心に全身の経絡を刺激し、全身の気の流れを整えるワークショップ
Yin Yoga (陰ヨガ) 〜春の養生〜

文 漢方養生指導士、ビューティ・ペルヴィス インストラクター アキコ/編集 七戸 綾子