マントラを108回唱えるとか、夏至や冬至に108回の太陽礼拝をするなど、ヨガではよく108という数字を聞きます。108にはどんな意味があるのでしょう? ヨガインストラクターのキミ先生にお話しを聞きました。

太陽の直径の約108倍が地球から太陽までの距離といわれていたり、古の時代から科学や哲学、占星学などの学問や宗教において、108は神秘的な数と言われてきました。

ヨガでは、太陽の輝きは人々が持っている本質の輝きに象徴され、地球から太陽までの距離は心や感情を整えていくプロセスに象徴されます。現代では太陽の直径の約107.517倍が太陽までの距離と言われていますが、文明の発達していない何千年も前の時代にこれらのことが言及されていたのは興味深い話です。

人は一日のうちに21,600回呼吸しているといわれています。その半分の10,800回は太陽のエネルギー、もう半分の10,800回は月のエネルギーで、その100分の1が108ですね。

インド哲学の根幹をなすウパニッシャッドも聖数の108編あるとされていますが、実はもっとたくさんあったものが編纂を繰り返されています。

シュリーマド・バガヴァタムという聖典には、『聖紐で繋れたルドラクシャ(菩提樹の実)は、108のヴェーダとみなされる』と書かれ、そこでは具体的に108という数字が出てきます。聖典に書かれたことは、悟りを開いた聖者の書いたこと、ということで、ヨガでは、注目に値する言葉です。

インドの寺院では、シヴァ神、ガネーシャ神などいわゆるヒンドゥー教の神様とは別に、太陽神、土星神など9つの惑星の神様が祀られています。占星術とはいわず、悟りに至るための学問と位置付けられているインド占星学では、12個のうち(ハウス)と9つの惑星で成り立つチャートがあり、生まれた時の惑星の配置によって運命の流れがある程度決まっているとされています。12個のハウス×9つの惑星=108 にもなります。

神聖な数といえば、インドでは9は完全数、神を表す数と言われています。9を倍数にしていくと、その掛け合わせた数字の1つずつを足していくと、必ず9になるのです。
たとえば、
9×2=18 1+8=9
9×3=27 2+7=9
9×4=36 3+6=9
9×5=45 4+5=9
9×6=54 5+4=9
9×7=63 6+3=9
9×8=72 7+2=9
9×9=81 8+1=9
9×10=90 9+0=9
9×11=99 9+9=18 1+8=9
9×12=108 1+0+8=9
ためしにて適当な数、2016×9にしてみましたが、2016×9」=18,144
1+8+1+4+4=18 1+8=9 になりました。

9はまた、縁起を担ぐ数字ともいわれ、祈りの後にこの数を見たり聞いたりすると、祈りが聞き届けられたサインだと信じる方もいます。

108を構成する一つ一つの数字もそれぞれ象徴するものがあります。1は個人を、0はすべての人を、8は永遠を象徴しています。何か大きなものに私たちをつなぐ108の事象と108の倍数の事象が存在するといわれています。

それはまるで、ヨガの瞑想でとらえる”3つの自分”にも通じています。自らのイメージがある自分、他者から見られる自分、そして変わらない自分。変わらない自分とは、インドでは「意識そのもの」、日本では「魂」とも呼ばれています。

このように108とヨガはとても密接な関係にあると言えるでしょう。

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|11月4日「ヨギーYOGA DAY」でキミ先生の手ほどきで瞑想を体験
最高の自分とつながる音の瞑想 ~煩悩を手放す108回のオーム瞑想~
煩悩を手放す瞑想とそのコツを学びます。ヨガ哲学で捉える煩悩とは、悩みや迷いの原因になる思考のパターンです。瞑想中に浮かぶすべてを手放すのではなく、その中から自分を窮屈にする思考のパターンを見極め、手放すことが大切です。

2019年11月4日(祝日) ヨギーYOGA DAY 場所:スタジオ・ヨギーTOKYO

お話 ヨガインストラクター キミ/文・編集 七戸 綾子