― 型どおりに練習するメリットや魅力とは何でしょうか?

シズ いつも同じ流れに決まっていると、クラス以外でも自主的に練習することができますよね。私たちインストラクターは、クラスでその人がもっとチャレンジできるように少し背中を押すだけ。ビギナーズの場合はいろいろと頭で考えるのではなく、まず体で覚えられるように促しています。

ノリコ 一緒ですね。

アズサ そうですね。これは私の中でのヨガのあり方なのですが、歯をきれいにするために毎日歯を磨くのと同じで、心も体も安定した状態でいたいので生活の一部としてヨガをする。流れが決まっていることで意識を内側に向けやすく、心と体をいい状態に維持するために習慣として積み重ねるものじゃないかなと思っています。

シズ 日課という意味では、本当にピラティスも同じです。「朝飲むコップ一杯の水」のように日課として練習することがすすめられています。流れが決まっていると余計なこと考えずに、朝パッと練習して気持ちよく一日を始めることができます。

ノリコ そう、頭で考えないということが大事ですよね。

シズ クラシカルの流れで練習してみると、ピラティス氏が考えた順番でするのが一番気持ちいい。だからこそ私はパワーピラティスを教えているのですが、やっぱりよく考えられているなと体で実感します。

アズサ 私もファーストシリーズが一番気持ちいい! どうしてこの順番なんだろうと疑問を感じたこともありますが、練習を続けていくとだんだんその理由がわかってきます。

ノリコ 私も最後にシャヴァーサナをする度に「ああ、よかった」と思えます。

アズサ そうそう。何度同じ練習をしてもそう思えるのが不思議ですよね。

取材・文 古金谷 あゆみ/「スタジオ・ヨギーのある生活」vol.22より