こんにちは。キミです。
シリーズでヨガとも関係のあるヒンドゥー教の神さまについて、 書かせていただいています。1回目は、ガネーシャ神でした。

私は、2000年から毎年数回ほどインドにわたり、生活の中にあるヨガや瞑想を学ぶ中で、インドの神さまはインド人の皆さんの生活にも深く密着しており、ヨガ哲学との関わりも大きく感じています。インドツアーでご一緒する寺院やアシュラムはもちろん、町の至るところでその文化を垣間見ることができますので、今回はヨガを創始したシヴァ神について紹介します。

シヴァ神は、ヨーガを創始したといわれる神さまです。日本では、不動明王や大黒天として呼ばれています。イラストで描かれるシヴァ神は、筋肉は隆々と引き締まり、頭はドレッドヘアー、腕や首に菩提樹の数珠を身に着け、蛇を首に巻いて、瞑想する姿で表現され、後ろの景色にはヒマラヤが広がります。

このイラストにもすべてに意味があります。例えば、シヴァ神はヒマラヤのカイラス山に住んでいるそうなので、後ろには雪山であるヒマラヤが描かれます。このシヴァ神のポスターはオンラインショップSitaRamaで売っています。

シヴァ神はしばしば(ダジャレじゃないですよ。笑)瞑想を好み行います。ある時、長い瞑想から覚めると、新しく出来上がった宇宙の中で、人々が苦しんでいる姿が見えたそう。天災や戦争、飢餓などで苦しむ人々を見るに堪えがたく、シヴァ神は涙を流したといわれます。その時涙が落ちた大地から生えてきたのが菩提樹で、その実をシヴァ神は身に着けています。

さて、苦しむ人々を救う方法を模索するために、シヴァ神はまた長い瞑想に入ります。そして長い年月を経て瞑想から覚め、人類を幸せにする方法を伝えたその一部が今伝わっているのがヨーガだそうです。主には、私たちの心を幸せや喜びで満たすために、心を整える技術として伝えたようです。

首に巻いている蛇は、私たちの潜在的なエネルギーを象徴しているといわれます。ヨーガの考え方によれば、私たちには、潜在的で使われていないエネルギーが骨盤底部に眠っているとされ、そのエネルギーが愛や修練などによって目覚め頭頂まで上ると、そのエネルギーを使えるようになるといわれます。その多大なエネルギーは、骨盤底で3回半とぐろを巻いた蛇のように描かれます。このエネルギーを完全にコントロールして扱うことのできる象徴として蛇が首の周りに描かれるのです。

シヴァ神のシヴァという言葉は吉兆、幸運という意味も持ち、サポートを望む人々に恩寵を与える神様としても尊敬されています。恩寵を与える相手は、少年少女から老人、神々だけでなく悪魔までと言われ、シヴァ神がわけ隔てのない愛をあらゆる存在に持っていることを表しています。

シヴァ神の乗り物は牛ですが、日本のお寺でも、大黒様の前に撫で牛が安置されていたり、インドと日本のつながりをそんなところでも感じます。

シヴァ神に祈りをささげるのは恐れ多いという方は、シヴァ神のいるお寺には必ず安置されているナンディとよばれる牛の耳元で願いをささやき、シヴァ神に取り次いでもらうという裏技もあります。私たちも、交友関係で難しい相手がいた場合、その近親者から取り次いでもらうことがありますね。人間の世界も神々の世界も、相対的、つまりいいことも悪いことも起きるという意味では変わりないそうで、同じようなことがより精妙な形で行われているといえそうです。

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文 ヨガインストラクター キミ/協力 SitaRama/編集 七戸 綾子