ヨガインストラクターのナオです。まさに夏本番ですね。
この時期は、冷房の効いた室内にいる時間が長くなり、電車の冷房で体が冷え切ってしまうことも多いのではないでしょうか。

室内と外での寒暖の差で体のだるさなどの疲れも感じることもあります。私たちの体は、環境の変化に反応して、体の機能を健康な状態に保つことで、生命を維持させようとする働きがあります。これをホメオスタシス(恒常性)といいます。環境の変化への対応手段が体に備わっているんですね。

暑くなったら汗をかいて熱を逃がし、体があつくならないようにし、寒くなったら熱を作って体が冷えないようにします。これらの寒暖差がホメオスタシスを酷使することでストレスが生まれます。

自然界には、季節があり、朝~夜の時間帯ごとにも、気温、湿度が異なります。刻々と変化していくサイクルに応じて暮らしていくには、まさに対応力が必要です。

冷房と外の気温の寒暖差に疲れを感じている場合は、寒暖差のストレスに対応しきれていないかもしれません。暑いとついつい冷たい飲み物を飲みたくなりますね。しかし、冷たい飲み物の取りすぎは内臓の冷えを招きます。また、暑さのため寝不足になることは脳や内臓の疲れにつながります。

ストレスへの対応力が、追いつかなくなると、「不調」として現れます。冷えた体は代謝を下げ、体の末端では血流が滞り「冷え」となります。

これらの不調や冷えを防止し適応するには、まず代謝を上げて、血液の流れをよくすること。血液の流れをスムーズにすることで、栄養を体中に巡らせ、老廃物を排出し、結果、体の代謝が上がるのです。

さらに、血液の流れをよくするには、熱を発生させる筋肉を活性化させること。筋肉が働くと、体があたたまり、筋肉そのものがポンプの代わりとなって血流を促します。

運動をし、汗をかくことはこれらの代謝を上げるためにとても有効です。ただし、やみくもに汗をかけばいいものでもなく、その人のもっている体質や心の性質に合わせた適度な運動が必要になります。

ヨガは、筋肉をバランスよく使い、呼吸を意識する動きによって、ゆったりと自分のペースで心身ともに働きかけることができます。運動の得意不得意や、体の硬さ・柔らかさに関わらず、ストレスを軽減し、健やかな状態へ調子を整える効果が期待できます。

暑さ対策におすすめのヨガで、対応力・回復力を促しましょう。主に呼吸をするときに使われる筋肉を刺激し、呼吸をしやすい体に整えます。そして、筋肉を使った後は緩めます。緊張と弛緩の繰り返しは自分の体がどうなっているのかを知る意識があがり、対応力につながります。

ポーズに入った後も呼吸を意識しましょう。空気の循環をスムーズにし、呼吸と体のつながりをバランスの良いものに整えます。

ガルーダ・アーサナ
鷲のポーズ

背面にある肩甲骨を左右に広げることで肋骨を広げます。 肩関節の動きをよくすることで、呼吸が入る空間を広げます。また、バランスのポーズで筋肉を緊張させ体幹を意識しましょう。 呼吸時の姿勢を安定させ、バランス感覚の向上を図りましょう。

パリガ・アーサナ
門のポーズ

体の側面を伸ばします。膝が床に固定され、腕を上げることで、より深いストレッチを感じるとともに、呼吸時に使う深層の筋肉を刺激します。

セツバンダ・サルワーンガ・アーサナ
肩立ちの橋のポーズ

スマホやデスクワークなど前かがみになる姿勢によって、縮まりがちな体の前面を開きます。 また、心臓よりも頭が下に下がることで、気持ちが落ち着き、セラピー効果が期待できます。

快適な夏を過ごすためにヨガを日常に取り入れて、運動や呼吸によって代謝を上げましょう。
どうぞ素敵な夏をお過ごしください。

文 ヨガインストラクター ナオ/編集 七戸 綾子