読者の方々から届いたインストラクターへの質問のなかから、特に多かったものをご紹介。あなたの「?」を「!」に変えます。

Question
「身体がとても硬いのです。ヨガをすれば柔らかくなるでしょうか?」

Answer
この質問は、とても多くいただいています。ヨガのポーズ写真をみると、どれも身体が柔らかくないとできないようなものばかり。キレイ!と思う反面、これは自分には無理……と思いがちです。

この身体の柔軟性について、関東のスタジオ・ヨギーでヨガインストラクターであり、ご自身も以前は身体が硬かった、というケイコ先生に聞いてみました。

そもそもカラダが硬いとは、どういうことなのでしょうか? 

体幹を鍛えると、体が柔らかくなる!?

「では、みなさんが身体の柔らかさをイメージするポーズで例を挙げていきましょう。

ウパヴィシュタ・コナーアーサナ(開脚して座った状態で、上半身を前方に折り曲げる)というポーズがあります。身体の硬い方は、両脚を大きく広げられない、上半身を前に倒せない、といった股関節まわりの硬さによるものがほとんどです。

これは、主な原因として、一見関係股関節とは関係ないと思われがちな “腹筋群”と“殿筋(お尻の筋肉)”が、弱いということが挙げられます。弱いとは、その人にとって適正な筋肉量ではないということと普段使っていないために筋肉が反応しにくくなっているのです。

この腹筋群と殿筋というのは、大きな筋肉の部類です。この大きな筋肉が弱いと、周りにあるハムストリングスのような(腿の裏側の筋肉)関節をまたいでいる筋肉が補助しようと頑張って、常に緊張し、ストレスを強いられ、結果、柔軟性がなくなり、開脚・前屈ができない、というパターンが多いのです。」

いくらヨガやストレッチでこわばっている筋肉を柔らかくしようにしても、日常生活では常に補助する側にあるため、硬くなる一方。これは肩コリ、腰の張りなども同じメカニズムで、補助している筋肉が常に緊張し、硬くなり、血流が悪くなり、コリとなって現れるそうです。

「身体を柔らかくする方法として、腹筋や殿筋を鍛えることが実は重要なのです。そして、この腹筋や殿筋はいわゆる“体幹”にあたります。ここを適正に鍛えることで、ウパヴィシュタ・コナーアーサナだけでなく、いろいろな柔軟なポーズが取れるようになるはずですよ」

体幹全体を鍛えて筋肉をつけることで、柔軟性もあがるなんて、意外な感じもしましたが、解剖学の観点からお話を聞くと、目から鱗の納得です。

筋膜を整えると、動きがスムーズに

お風呂あがりにちょっと柔らかくなった気がするのは、身体が温まって血流がよいから、筋肉も一時的に柔らかくなるようです。でも、それは一時的なもの。やはり根本的に筋肉を柔らかくし、血流をよくするには、筋肉を適正に鍛えてあげないといけないようです。

「あとは、“筋膜”から考えてもいいかと思います。

ちょっとイメージしてみてください。パスタ1本1本をサランラップで撒きます。それを20本集めて、さらにサランラップで撒きます。これが筋肉です。パスタ1本1本が筋繊維、サランラップが筋膜です。この筋繊維どうし、筋肉どうしが触れ合う筋膜がスムーズに動けば、血流やリンパの流れもよく、老廃物が貯まりにくいです。逆にこの筋膜が癒着すると、血流が悪くなり、ひいては身体の硬さにもつながっていくといわれています。」

筋膜の状態をよくするのは、ビューティ・ペルヴィスも効果的で、レギュラークラスのなかで“筋膜ストレッチ”を常に取り入れています。(気になる方は、こちらのメソッドを体験してください。)

「骨格の部分は、個人差があり、骨の配置でもあるので、ここはどうしようもない部分がほとんどです。骨格や関節にとても負担をかけるスポーツもありますが、意外とそういうアスリートでも、やみくもに身体を柔らかくしようとしているのではなく、ちゃんと屈伸できる方法論を知っているのだと思います。」

骨格には個人差がある。でも動き方にコツがある!

ケイコ先生も、ヨガをはじめる前は、とても身体が硬く、インストラクターになるときにはご両親に「身体の硬いあなたが!?」と驚かれたそうです。

「ヨガをし始めてからも、しばらくは硬かったですね。どうして私は硬いのだろう、とずっと思っていました。気合いが足りないのだろうなと(笑)。ヴィーラバドラ・アーサナIのポーズをすると、どうしても骨盤が横に向いてしまっていたんです(注:骨盤が正面に向くとよい)。そこで、ヤスシ先生(スタジオ・ヨギー/ヨギー・インスティテュートのエグゼクティブ・ディレクター)に相談したら、「後ろの足をもう少し前に向けてごらん」と言われたら……できたんです! 

なので、私のようにヨガをしばらくしていて、必要な筋肉もついていたのに、柔軟性が必要なポーズのときにはどうしたらいいかわからない、使い方が分からないという方もいるかもしれないですね。」

限界を感じたら、インストラクターの方に相談するのも、よいと思います。

身体が柔らかいと、血流がよくなり、リンパの流れがよくなるんですね。それ以外に、いいことはあるのでしょうか?

「例えば日常生活では、つまずかなくなる、ケガをしにくくなる、といったところでしょう。若い方はあまり実感がないかと思いますが、身体が柔軟で、筋肉が適正についている、ということは、ちゃんと足をあげて歩ける、自分の体重を支えて動けるということです。あとは、代謝があがるということなので、冷えやむくみの改善も期待できるでしょう。

日常のオフィスワークで座っているという姿勢は、実はとても身体には負担がかかります。適度な柔軟性は、疲労が溜まりにくく、疲れにくい身体にもつながります。

身体の柔軟性を目指すには、もう手遅れ……なんてことはないです。個々のそれぞれのバランスが取れれば、柔軟性はいつだって養われていきますよ。」

最後に、ケイコ先生は、普段、柔軟性を保つためにしていることはなんですか?

「基本的なヨガのアーサナをとることです!」

やはりバランスよく筋肉を整えることが、柔軟性を保ち、ひいては身体の健康にはよいようです。

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編集:竹内まり子