ヨガクラスで呼吸法をするときや、瞑想をするときに、ムドラー(印)といって、手でかたちをつくります。よく使うムドラーについて、ヨガインストラクターのリー先生にお話しを聞いてみました。

この写真のムドラーは、メール・ムドラーといいます。あらゆる神々が住むという黄金に輝く神秘の山の印。全宇宙に捧げる供物を現してるそうです。

ムドラーは、アッシリア語の<印象や印>に由来します。手で結ぶムドラー以外にも、アーサナと呼吸法を合わせて行うものもあります。高度な精神修行として、精密なプラーナ(生命エネルギー)を高めるテクニックとして大切に伝えられてきました。

手を使うジェスチャーは、右脳との関わりが深いとされています。それは、言語による思考より前に、ふっと手を使うジェスチャーが起こってしまうことです。きゃっと、驚いた瞬間に手が動いたりしますね。

また、それを観ている人にも同様の脳の刺激が伝わると云われています。仏像などを拝観するだけでも、知らずにムドラーの影響を受けとっているのですよ。

ヨガのクラスでは、よく親指と人差し指をつけるムドラーを行います。これは、チンムドラーとも、ニャーナ・ムドラーと云われます。先日、来日されたヨガ哲学講師であるカルロス・ポメダ氏は、「本来は、上向き、下向きでの呼び名の違いは、ないよ。」と教えてくれました。

チンムドラーの、チンは、チット(意識)を意味し、この場合は、最高位の意識を示します。最高位の意識には、全ての(智慧)が内包されると考えられていて、ニャーナ・ムドラーのニャーナは、この(智慧)を示します。

チンムドラー(ニャーナ・ムドラー)は、最高位の意識と、智慧と結びつくムドラーなのです。
それは、思考を超えて私達の微細なエネルギーに働きかけている印なのです。凄いですね。

直感、集中力、記憶力の促進、精神的ストレス、混乱の改善によいとされ、
マインドをクリアにして、高血圧にもよいとされます。

それぞれの指が象徴するもの

また、親指はブラフマン(梵・最高原理)、ひとさし指は、アートマン(自我・真我)。また、残りの3本の指は、グナ(現象界を構成する要素)を示すとされます。グナは、小指がタマス(動きのない。暗質。)、薬指はラジャス(活動的。激質。)中指がサットヴァ(調和。純質。)とも云われます。

トリ(3つの)グナ(現象界を構成する要素)は、顕現する現象の全てが有していて、神々も有すると云います。そして、どれかがいつも優位に働いています。

ヨーガでは、サットヴァ(調和。純質。)が優位であるよう努めます。

そして、ヨーガの最終境地は、アートマン(自我・真我)と、ブラフマン(梵・最高原理)がひとつである境地で、それは、グナ(現象界を構成する要素)超えた状態を指します。

難しくなってきましたが、、、チンムドラー(ニャーナ・ムドラー)を行い、瞑想や、ヨガを行うことは、神聖なる境地に向けて、繊細なエネルギーレベルから導いているのです。

行いたくなりませんか?

姿勢を正して、チンムドラー(ニャーナ・ムドラー)で呼吸を整えてみませんか?
上向きでも、下向きでも、落ち着く方にしましょう。
心が、落ち着くまで暫くそのままでね。
尊い自身の本質に想いを寄せてみましょう。


パドマ・ムドラーと、ヴィシュヌ・ムドラーのお話しにつづく


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お話 ヨガインストラクター リー/企画・編集 七戸 綾子